気ままな談話でリレートーク

Danika in Cafe Moala

2020_8 Danika Van Kaathoven (オランダ、2018年2月滞在作家)

先月甲府へ帰ってきて自作デザイン本から詩の朗読&即興演奏をカフェ・モアラで小さく開催しました。

現在京都工芸繊維大学院  https://www.kit.ac.jp/uni_index/

作家web: www.danikavankaathoven.com

 こんにちは! ダニカと申します。オランダからのデザイナーです。2018年2月にAIRYの滞在アーティストでした。 甲府にいた時はコラージュを作ったり、写真を撮ったりすることで、日本生活を知ろうとしました。 2月は一番短い月ですけど、すごく充実した時間を過ごすことができました。たくさんの素敵な人に会って、面白いことをたくさん見ました。 それ以来、私を奮い立て、モチベーションを上げてくれました。  

 去年の9月から、京都に住んでいて、デザインの修士号を取得するために勉強しています。日本に住んでもうすぐ1年。時間が経つのが早すぎますね。京都の雰囲気が本当にすき。賑やかですが、決してストレスを感じることがない。鴨川のサイクリングや散歩は四季折々に素敵です。 京都でデザインの勉強をする機会があってよかったです。オランダで勉強していたときとはちょっと違います。コミュニケーションは面白いチャレンジです。講義のメイン言語は日本語なので、先生が教えてくれていることを理解する前に、先生の言葉を翻訳しようとしています。たまに笑ってしまいます。面白い経験ですから。読み書きや話し方を学び直しています。難しいですが、本当に楽しいです。 しかし、必ずしも言語の問題だけじゃないと思います。デザインの方法や文化の違いを理解してバランスをとりたい。たくさん助けてくれる学生がいて良かったです。優しくてまじめな人たちです。もっと作品を見て、もっと話をして、感想を聞きたい。コラボレーションができたらいいな。 オランダの友人や家族とオンラインでよく話しているので、距離感はあまり感じません。こんな風に時間帯の狭間での生活が快適なんです。コロナは私たち全員に同じような影響をしましたけど、皆元気でよかった。  家で仕事をすることで時間の流れが少し遅くなり、変化に適応するためのスペースができました。でも今後またペースを上げていきたいと思っています。 だから数日甲府に帰ってきて本当に楽しかったです。毎回、また友達に会えるのが嬉しい。即興演奏の夜のために開いていることに、いつもありがとうございます!次回を楽しみにしています。 またね!ダニカ

(原文まま 2020.7現在)    

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Noriko& Rina

2020_7 ナカムラノリコ(アーティスト 甲府市出身メルボルン在住)

http://noriko-nakamura.com

お久しぶりです。オーストラリア、メルボルンのノリコです。日本では自粛が少しづつ解除されてきたようですね。
ちょっとオーストラリアと私個人の状況を報告したいと思います。
オーストラリアでは元々マスクをする文化がないので、マスクをしている人は少ないです。日本ではマスク産業が盛んなようですが、こっちでは売っているところもあまり見かけません。自粛生活のレベルは州が決めた規制によってコントロールされてます。現在でも集まっていい人数が決められており、規定人数以上での会合などはバレた場合は罰金。一時的に規制が緩くなってきましたが、ビクトリア州では第二波の影響でまた規制が厳しくなってしまいました。現在室内のカフェやレストランなどはテーブルの間隔を1.5メートル開けなくてはならなく、最大20人までの規制になっています。お店によっては数人しか入れず、テイクアウトオンリーのお店もあります。小さなキャラリーでは入場規制を設けてやっていますが、州が運営するミュージアムや大きな美術館は6月いっぱいは閉鎖されています。個人宅での会合はゲスト5人までとなってます。
私は現在大学院でアートの勉強をしていますが、今年いっぱいは全オンライ授業で行われることが決まりました。キャンパスは現在も閉鎖されています。
オーストラリアでは3月の半ばから7週間のロックダウンがありました。保育園はメディカルスタッフが仕事へ行けるように閉鎖はされませんでしたが、社会全体で自粛モードだったので、私は娘と7週間のセルフ・アイソレーションをしていました。ロックダウン中はお店によっては子連れでの入店を嫌がる店もあったので、なかなか自分では買い出しに行けず、7週間中に家を出られたのは2、3回でした。子供がいると勉強もなかなかはかどらず、焦りからのストレスもありました。毎日娘と草むしりをし、薪ストーブ用の枯れ木を拾う日々。娘との生活を通して諦めるということを学びました。忙しくしない、自分に甘くなる、育児を楽しむ、頑張りすぎない、何事も6割の感覚でする、ちゃんと休める時に休むなど学びが沢山ありました。すごく濃い時間を過ごした感覚があります。
5月の末に娘のリナは2歳になりました。ロックダウン中に歩き出したり、イヤイヤ期にぶち当たったりと、すくすく育っています。現在は楽しく保育園に行ってくれているので、アート活動を再開でき、メルボルンでふたり展も開催できました。
何だかんだいって個人的にはコロナでいい影響もありました。オンラインでの授業は時間の無い子持ちの母としてはキャンパスに行く時間が省けるのはありがたいです。政府からアートに対して多くのグランツが与えられ、オンラインで多くのアート・プロジェクトが盛りあがっています。レストランもお客が私達家族だけとかだったりで、子供が騒ぐと他のお客さんに迷惑になってしまう心配がないので気楽です。あと風邪でも大事を取って会社や学校を休める社会というのもいいものだなぁと感じています。
今年中は海外への渡航は諦めるようにと政府からの呼びかけがあるので、いつ日本に一時帰国できるのか全く見通しが立ちません。来年の春には帰れたらいいなぁと思ってます。その時はエアリーArt& Breakfastお花見バージョンを企画したいなと思っています。また一緒に朝ごはん食べて談笑しましょう。
ではまた会う日まで。(2020.6.27現在)

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Nagisa

2020_5「爽やかな青い風が山梨に吹いています」

三森なぎさ(共同代表、通訳)

AMFY代表

http://air-y.net/wp-admin/post.php?post=9665&action=edit

 誰もが想像もしていなかったこの事態、皆さんも困惑し不安を抱えながら一日一日をお過ごしの事かと思います。AIRY代表の坂本泉さん、このニュースレターの読者はお察しかと思いますが、どのような状況でもただ周りに流されて見過ごすようなタイプの方ではなく、必ずその中に一筋の光を見出だす方であります。

 ちょうど10年前、やはり初夏の頃、私が青年海外協力隊として活動していたキルギスでは国内で激しい暴動が起き、警察とデモ隊の撃ち合いにより数千人の死者が出ました。国民は深い悲しみで辛い涙をたくさん流しました。

 数ヶ月後、アーティスト交流など無理だと誰もが諦めかけていたその夏
黒い帽子とカラフルな衣装をまとって日本から現代アーティスト、坂本 泉がキルギスの空港に降りたのです。中止になったアートキャンプの事は仕方ない、何もないところからの再スタート、手探りで現地の人々と絆を深め、最終週のキルギス・日本の国際交流展示会では会場の床が抜けるほどの来客数を記録し、大成功を収めました。

 このコロナウィルスの感染拡大により、今日、日本ではまさに秩序が崩れ、政治も経済も教育現場もこれまでの軸を失いつつあります。
ここで私たちには何が試されているのか、何を探せと言われているのか。
10年前の異国でのあの混沌とした日常を思い出しながら、私自身問いかけています。泉さんもきっと同じかと。あの時、泉さんが現れアートを通して芽生えた希望の光が、きっとここ山梨でも再び差すだろうと願いを込めて、
今は優しい西日に照らされています。時を経て、祈りを胸に。(2020.5.7現在)

*参照 キルギス[ASIAN REUNION IN SILKROAD]時空を越えて
http://air-y.net/archives/category/blog/archives/1079