やまなし短編映画祭2021

Yamanashi Short Movie Festival 2021

June – December 2021

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

公式ホームページ

Home | yamanashi-short-movie-2021 (jimdosite.com)



 ステイトメント

 人が移動することで生じる熱量を基盤にしたアーティスト・イン・レジデンス(AIR)の活動は、パンデミック発生以降新たな事業展開が求められることになった。この先海外作家の受け入れは可能なのだろうか? 思いの外自体は長期化の様相を示している。

 そんな苦悩の中で出会ったのが山梨出身3名の若き映像チームだった。6話完結オムニバス短編映画『指先から』の撮影で出会った彼らが、新しいプロジェクトのイメージをくれた。この困難な時代を正面から捉えて新しい作品を生み出している。彼らを紹介すると共に山梨ゆかりの作品を上映するのはどうだろう? 幸い上映中の観客は無口で、集まっても感染リスクは低い。撮影機材の改良や進化でずいぶん映像制作が身近になっている。探せば他にも見つかりそうだ。

 誰もが生活に不自由を感じまたは人生の変更を強いられているこの時期に、何を考えて何をしたかが後の時代に問われるだろう。まだ無名の若い監督やチームの作品を上映することで、山梨の映画文化に貢献したい。彼らが互いに知り合うことでこれからの活動の幅を広げて欲しい。そして映画は総合美術。文章を綴る人、絵を描く人、演じる人、撮る人、音楽を奏でる人などいろいろな人がこれを機会に繋がることで甲府の、山梨の文化振興の一助となれたら素晴らしいと思う。いろいろな切り口で興味を持ってもらいたい。 

 コロナによる社会変化後も日々の生活にアートを継続するためのひとつのルートとして「やまなし短編映画祭 2021」を開催します。

やまなし短編映画祭実行委員 坂本 泉(Artist In Residence Yamanashi)

Statement

We initiate activities through the energy produced by the movement of people. Since the spread of the pandemic, a new business development is in demand. Would we be able to accommodate international artists in the near future? The pandemic seems to last longer than expected.

In such difficult times, we had an image for a new project. We encountered a young filming team from Yamanashi, who met through the shooting of Yubisaki kara, an omnibus short film series. While facing our current society, we are creating something new. As we welcome the team, we would like to present a film that is linked with Yamanashi. Luckily, the audience remain silent in movie theatres, allowing lower risks of Covid infection. Thanks to the advancements of technologies in photographic equipment, video production has been more familiar with us today. Hence, making videos and films has become more convenient. For this particular project, we could possibly have more staffs to help the team.

Many of us may be facing challenges, where changes are required to adapt to the new life. As we reflect on our current lives, we may be asking ourselves in the future, what were we thinking and what were we doing?

Through this production by a young team who is still unknown, we would like to bring a lively atmosphere and hope for people to be interested in the film-making culture in Yamanashi. We hope that each member can expand one’s range of work by collaborating with each other. Lastly, we would like to address/express how film is composite art. This project consists of a screenwriter, drawer, actor, photographer, musician, and more. Together, we would like to take the opportunity to help promote Yamanashi culture and be connected with one another.

We will host the Yamanashi Short Movie Festival 2021, to keep art active in our daily lives.  (Translation:Eleanor Mimura)

【企画・運営】

やまなし短編映画祭実行委員会

後藤 久美子|劇団ホワイトチョコが好き。

坂本 泉|AIRY

山本心平|へちま

米持 壌| 武蔵野美術大学生

【ロゴデザイン】

omiso

【ちらしデザイン】

山本心平|へちま

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『指先から』6月

【重要なお知らせ】6月12日

やまなし短編映画祭2021実行委員会

このたび、6月11日に出された県からのイベント自粛要請を受け、6月18日(金)・19日(土)の全5回の『指先から』上映会、展示会、20日(日)の演劇ワークショップを中止とさせていただきます。楽しみにお待ちいただいていた皆様には心からお詫び申し上げます。

【重要なお知らせ】6月19日

やまなし短編映画祭2021実行委員会

このたび、コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて、6月25日(金)・26日(土)の全5回の『指先から』上映会と、27日(日)のワナレカLIVEを中止とさせていただきます。 楽しみにお待ちいただいていた皆様には心からお詫び申し上げます。 また改めて上映の機を探らせて頂きたく存じます。

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『北屋形の神楽 終わりの始まり』7月上映

開発好明 監督


■7月16日(金) 19:00-20:10 上映 *アフタートークあり

オンラインアフタートーク 20:20-21:00/聞き手AIRY 坂本

■7月17日(土) 13:00-14:10

※受付開始・開場は開演の30分前

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上映&アフタートーク レポート

開発好明『北屋形の神楽  終わりの始まり』
DVD / vol.1 vol.2

会場:へちま3Fスタジオ

 オリンピック開幕を一週間後に控えたこの日、日本中がピリピリとした雰囲気に包まれていたように思う。こんな状態で果たしてどれだけの人が上映会に来てくれるのかな~不安の中でのスタート。実際に映画祭は6月の上映開始予定が、​​山梨県知事による臨時の特別協力要請が発令されて中止(延期)されていた。この時の発令は甲府市での聖火リレーを前にした引き締めの色合いが強い。

 さてこのドキュメンタリーは東日本大震災直後に東北入りして様々な活動を行ったアーテイスト開発作品の一つだ。作家は2012年福島県南相馬市北屋形へ入り、地元でどんなサポートができるか話合いを重ねた。その過程はvol.1に詳しく収録されて、いかに人々の要望に沿えるか地元の方々の望む復興の方法を探す作家の姿勢が伺える。何をするのか?何も残せないかも・・?そして村の会合では、村人が北屋形の神楽を愛し誇りを持ち、将来に渡り子や孫の世代に伝えたいという強い思いが繰り返し述べられる。

 そして次第にこのプロジェクトの内容が固まっていったのだろう。「とにかく純粋に村人のためになる事、北屋形の方々の希望を聞いて本当に必要な形での援助・協力を差し出す。」を基本に村人へ未来へのプレゼントになるようにと考えたという。具体的には一度は途絶えてしまった神楽をビデオで将来に伝え残すこと。二枚組DVDの1枚目には会合の様子や神楽舞の晴姿を、2枚目には篠笛や踊りのハウツーを収録した。もう一つは重量オーバーで舞う人の身体への負担が大きかった神楽頭の軽量化を図る発砲スチロールでの頭作り。発砲スチロール素材のアート作品は開発の定番だから扱い方はお手の物だ。最終的に重量は1/3となり軽量化に成功、内部にヘルメットを内蔵して舞人の負担を大幅に減らした。以前のものは頭内に渡された横棒を歯で噛んで頭を固定させていたいうから驚きだ。噛む力・首肩の力ともに並外れた能力、しかも両手はふさがっている。仕上げには地元の会津漆塗り師を起用、表面を強化したうえで美しく会津漆が施されて現在は神社の祭壇に奉納されている。

発砲スチロール製頭の基本形を試着する作家 開発氏
左:旧神楽頭       右:新神楽頭

 2013年正月には新しい神楽頭を着けて誇らしげに舞を奉納する村人の姿があった。前後二人で踊る神楽獅子は息もぴったりで、篠笛の音色に合わせて勇ましく演じる姿は本当にかっこいい。終盤で村人たちがためらいがちに差し出す頭を甘噛みする獅子はユーモラスで一番好きなシーン。疫病避けの意味もあると聞けば決して昔の話ではなく現代に生きる私たちの生活にも大いにつながる。

 このような事例は北屋形だけではないだろう。時代や生活スタイルの変化により地域の伝統継承が難しくなっている。口承で受け継がれるものはいったん途絶えると元には戻らない。この映画を観て自分の地域の場合はどうかと引き寄せて考える。DVDは北屋形の全家庭約100軒に配布されたという。祖父母と孫が一緒にコタツにあたりこの映画を観ている姿を想像すると微笑ましい。このような精神面での支援は将来に大きな希望を与えるだろう。開発ならではの過去と未来の長い時間軸をつなぐ創造的なプレゼントだと言える。

 結果、社会派で硬派な今回のドキュメンタリー上映は、コアな参加者に好評でアフタートークか会場撤収ぎりぎりまで続いた。上映後にオンライン参加の開発自身が当時の様子やエピソードを豊富に語ってくれたので、その場にいるような臨場感を感じることもできた。この困難な時代に大きなスクリーンを囲み、人と直接話せる喜びを久し振りに味わった。まだ歩き始めたばかりの小さな映画祭の手応えを感じて胸が熱い。困難はあるが一緒に歩くと仲間がいることを幸いに、この映画祭を大きく育ててゆきたいと思う。(聞き手と文責:坂本)

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メディアで紹介されました。

山梨日日新聞 時標 8月22日付け

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9月上映 丹澤由棋 監督 米持 壌 監督 

■日程

9月17日(金)19:00-
丹澤由棋 監督作品 residence(60min) + 10th(30min)
米持 壌 監督作品  the private gun(2min) + 初恋(12min)

9月18(土)13:00- *アフタートークあり(約30分)
丹澤由棋 監督作品 zoo(30min) + 1.2.3(40min)
米持 壌 監督作品  the private gun(2min) + 初恋(12min)

■入場料 1000円/お一人

■定員 各回13名 予約制 以下予約フォームから

■9月上映作品

「residence」「10th」「zoo」は山梨県甲府市にあるアーティストレジデンスAIRYを題材に製作された映像作品の三部作。AIRYを中心にアーティストと山梨の人々の交流、アートを通したコミュニケーションを捉えたドキュメンタリー。
  「1.2.3」は京都西山の麓にて生まれ育ち、現在も京都を拠点とする絵描き、八雄を追ったドキュメンタリー作品 。

「THE PRIVATE GUN」はコーマン検疫映画祭へ出品。「映画は娯楽だ」という一つのシンプルな気持ちから制作。
「初恋」は頭で考えるのではなく、心のままに制作。今の私はこの作品があまり好きではありませんが、この当時の私にしか生み出せなかったものだと思います。 

上映&アフタートーク レポート

                                  撮影:米持幸生

若いお二人の監督作品合計6本を一挙に上映する9月

〇丹澤由棋 (エアリー関係3本+京都にアーテイスト八雄を訪ねての収録1本)

〇米持 壌(コーマン短編映画祭出品+進学希望大学への提出作品)

上映後には荻野弘樹氏(山梨放送・映画プロデューサー)を聞き手に迎えての三者リアルトークを開催しました。2監督は在京なので甲府入り後上映を前にコロナ簡易キットで陰性確認を済ませてから。こうやって登壇者が実際に会場で対面トークできるのは初めてだったので「やっと形になった!」と熱いものがあります。二人の作品の特徴は前者がドキュメンタリー、後者はエンターテイメントとカラーが分かれます。

互いの作品について語り合う
一瞬マスク外して~のリクエストに笑顔で
トーク後も和やかに歓談が続くへちまスタジオ 左から 丹澤、米持、荻野

丹澤「映像を撮り始めて10年。インタビューシーンを豊富に撮っておいて編集の時に全体の流れを組み立てていく。生の声を多く使うことで作品に真実味とライブ感が生まれる。エアリー三部作は自分のキャリアの中ではスタート地点。現在はクライアントからの仕事が多くなったがいつかまた自分の作品を撮ってみたい。」

→インタビュー字幕が話し手の意図を補うように工夫して書かれている。→映像を手段にするやり方と目的にするやり方があり面白い。→まるで自分もアートイベントに参加しているように感じた→最近あまり芸術に触れていなかったのかもしれないと日々を見直すきっかけになった。どこかに行かなくても日々のちょっとしたことの中に心動かされる場面は色々あるよなぁと感じてそれを見落とさないようにしたいと思う。(丹澤作品感想 アンケートより抜粋)

米持「つじつま合わせを考えずに自分がいいと思う面白いと思うシーンを取り進める。自分のパーソナリティーを出す。助手は弟一人で、作品にも登場するしカメラを回してもらうこともある。クエンティン・タランティーノ作品に影響を受けて作品つくりを始めた。『the private gun』は*コーマン短編映画募集に応えて制作。今年大学進学して映像を学んでいるがお笑いにも興味があり近々ライブに出演予定。」

*コーマンは「最初の(できれば最後の)コーマン検疫映画祭」として、新型コロナウイルス感染防止のため自宅待機中の人々から2分未満のショートフィルムを募集。「安全を確保して家の中や裏庭で撮影する」「撮影機材は携帯電話など手元にあるもの」「キャストは家で一緒にいるなら誰でも」といったルールが挙げられている。募集期間は2週間。ハッシュタグ「#CormanChallenge」を使用してSNSで作品の投稿を受け付ける。

→全ての動きに意味があるはずなのにそれを全て無意味にしている点がスゴイ!→BGMの使い方が上手→「初恋」は甲府を舞台にして親近感が湧く。自分が暮らす街の今を記録する役割を図らずも担っている→次の作品も楽しみ(米持作品感想 アンケートより抜粋)

荻野「良い意味で作品が若々しい、説明的になりすぎていない点はフレッシュである。映像に意味を求めてしまいがちだがその固定概念(前提)を壊すことができるのが映画。映画の中で一つのシーンを美術館で一枚の絵を観るように味って、自分のものにしてほしい。映画はひとたびリリースされれば監督の手を離れて観た人のものになる。自分はこう感じたというのが正解。」

荻野弘樹 紹介

テレビ、ラジオ番組のディレクター、プロデューサーとして、三上寛出演「ギタリスト深沢七郎」、永六輔出演「六輔 藝の旅」、田中泯 出演 「いつになったら 詩人 金子光晴」など の 番組 で民放連盟賞、文化庁芸術祭賞、地方の時代映像祭優秀賞などを受賞。 「太陽の坐る場所」 2014 、「 さ く ら」2020 な ど 矢崎 仁司 監督 作品 の 製作 のほか 、 成島出、富田克也ら山梨 県 出身監督らのプロダクション支援を行っている。

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10月上映 井原純平監督

■ 日程

10月22日(金)19:00ー *3 本上映

10月23日(土)13:00ー *3本上映+監督アフタートーク(30分)

■作品 ホテル三部作2020

①「Why LIE?」10min

②「Day TRIPPER」10min

③「名前のないホテル」22min

2020年に製作した“HOTEL”がテーマの短編映像三部作。ロードムービー、ミステリー、コメディの全く異なる三作であるが、“HOTEL”をキーワードに物語が繋がっていく。
①全編ロサンゼルスにて撮影。スチル写真の合間に撮影したカットを繋げて制作した。映画オーディションを受けるため、田舎町からLAへ来た女性の小さな旅を描く。

②河口湖にて撮影。脚本は用意せず、初めて訪れたホテルに一泊する中で制作した。

③甲府にて撮影。優しいだけが取り柄の冴えない中年サラリーマンと、パパ活サイトで出会った女性の物語。

■アフタートーク登壇者

井原純平 監督

楠 大生 映像クリエーター、井原作品編集スタッフ

聞き手:山本心平 やまなし短編映画祭実行委員

■入場料 1000円/お一人

■定員 各回13名 予約制 以下予約フォームから

■ 写真展示、物販(ポストカード、Tシャツ)鑑賞と購入可能時間帯

一日目:開演前と上映後の30分間

二日目:開演前30分間、休憩時間、アフタートーク終了後30分間

上映&アフタートーク

緊急事態宣言は緩和されたもののまだ街の人出は戻っていない。人数を制限しての二日間開催。会場入口には「NEW KOFU CITY」ポスター、シアターにはスチール写真と物販ブースが設けられた。やるからには楽しむという監督の姿勢を感じる。さあ~今回はどんな上映会になるのか胸が躍ります!!

       聞き手|山本心平         監督|井原純平  編集|楠 大生                      
撮影 | 米持幸生

山本「それぞれの映画ができた経緯は?」

井原「 ①『Why LIE?』2020年1月にある美容師からスチール写真撮影依頼がありLAへ飛び、空いた時間で撮影した約一時間のイメージビデオが発端。それを楠に渡して10分に編集したもの。自分はもともとカメラマンなので、客観的な立場で素材に動画編集と音楽をつけてくれる楠とはよいコンビ。」

楠「井原とはSNS を通じて知り合い3~4年前から共同制作する仲、自分はユーチューバーでもある。ミュージックビデオ制作やラップ新曲作りはサクサク早い方。」

井原「 ②『Day TRIPPER』も実は河口湖畔プライベートホテルからのプロモーションビデオ作品制作依頼から始まった。自分は演者で楠が撮影。二人で冬のホテルに一晩籠り、特に脚本はなく機材を持ち込んで自由に撮影。スタンリー・キューブリック作品が好きで「時計仕掛けのオレンジ」を意識したかも。」

井原「 ③「名前のないホテル」 は唯一脚本を用意した作品。3~4日かけて撮影して予算は3万円。甲府のコミュニティーインフラを使い尽くして少ない予算をカバーする。主人公は先輩の写真家、知り合いの店やカフェを利用、高級車は知り合いから借りるなど。昨年はパンデミックで海外へ行けず、結果的に一年でそれぞれ持ち味が違うホテル三部作ができた。」

山本「見た人の反応は?」

井原「万人向けは狙わない。100人中一人でも興味持ってくれればいい。この映画も大スクリーンで大音響上映を当初は想定していない。ただ自分たちの感性や技術は同時代の世界基準を満たしている自負はある。」

楠「ユーチューブ作品は海外から反応あり」

山本「制作の根底にあるものは?」

井原「コアテーマは常にはっきりしている。地方にいても都会にいても考え方次第でかっこいいもの面白いものが作れる。地方で生活しながら創作できる。見方を変えること。カメラで切り取って甲府をおもしろく表現する。仕事でも同じで自分は精神科のソーシャルワーカーとして日々勤務している。その仕事をいかに面白くできるか、自分の技術を使って盛り上げるかを考える。」

山本「これからの制作の方向は?」

楠「これまでと変わらずに自分の好きを追い求める。」

井原「コロナ禍で映像関係の作品依頼は増えて忙しくなった。職場では介護送迎車の運転手さんたちに焦点を当てるプロジェクトが進行中で、元消防士のおじさんチームのミュージックビデオを作る(笑)。企画書が通り職場は協力的。これにも楠との協働が必要。」

山本「表現したいことやアイデアやイメージがあれば それをカタチにするツールや方法はいくらでもあって 誰にでも扉は開かれている。それは映像制作に限った話でもないしiPhoneがあるからということでもなくて、ずっと昔からそうだと思うんです。それがテクノロジーによってわかりやすくなった。
大切なのは表現したいことやアイデアやイメージの素になるものごとをどう捉えるかということなんだなぁと。そのきっかけになるのがやっぱりアートとか文化とかだと思う。」

身延町の西嶋和紙にインクジェットプリントした写真作品も展示販売
人数制限の13席はほぼ満席
医療福祉関係の方の参加が多かった
へちま入口には「NEW KOFU CITY」ポスター
被写体は井原監督の祖母FUKUE

■アンケートより抜粋

表現したいことあるのがすばらしい→ とても良かったです。声がなくても広がる世界観を音楽に活かしたいです。曲だけで光景が浮かぶように→ ジャンルにとらわれないカタチがとても素敵でした。監督の話を聞いて内容が深まった気がします→ idol君の作品はインスタでチェックさせて頂いていますが大画面で観ると迫力が違いました。音響も大迫力で引き込まれました。ポテへ先輩の演技も愛らしくてコミカルでニヤついてしまいました。アフタートークもあって作品のきっかけなど聞けて嬉しかったです。「やりたい様に」「思い付きで」こんな作品が出来ちゃう所がすごすぎるなーと思います。活動いつも応援しています!!また何かイベントあったら参加します。 → 脚本がないとは思えないくらいかっちょよかったです→ 信玄もちキメてるのがすごく痛いだろうなと思った。音と映像とてもよかったです。甲府のなじみの風景がたくさんでてきていたが、ふだんの感覚と全くちがう切り取り方がされていて楽しく見れました。次も期待しています。 → センスとアイデアの塊を感じた。そして何より行動力を感じた。→ 面白かったです。NICE!!! → たくさんの人々を幸せにしていただきたいです。とても素晴らしい作品でした。ありがとうございました。→ 音が大きすぎる(すべての音拾いすぎる)次回作お待ちしています。若い力でがんばって。 → 普段できない体験となりました。またスタッフの方々のお話も楽しめました。ありがとうございました。 → 井原さんの写真を見ていたので、どんなショートムービー!?と興味があって見にきました。3作品タイプは違うように見え、作品から想像してしまう。感じるものが違ったところにお二人の世界観の幅広さを感じました。作成裏話も、、面白かったです(笑)次回作も見ていたいです。 → 瞬間をキリトル写真とは違う、動きのあるムービーに音楽の融合、とてもかっこよかった。難しいことは考えずにその映像をみていたら、自然にうなずけたり、笑えたり、すごく引きつけられました。とてもよかったです!! → 1つめ 海外の美しさ、ストリート感、特に海と、飛行機のところが見入ってしまいました。あそこの音楽でなんか不安感をあおられました。なんで? 2つめ 写真とってる所がすごくよかった かっこよ! ナスの映画みてみよー♪ 3つめ みてて辛くなった。今の私にはかなしくなる重さでした。おもしろかったです。

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11月上映

①「魔法少女Me」(35min) Clara Campos +クララトーク 10min

2020年に山梨で制作された映画です。魔法少女アニメの中では、少女は魔法を使って自分の問題を解決することができます。小さな女の子たちは変身することで力を得て、何でもできるようになります。この映画の中では様々な人種、年齢、国籍の女性が「女性であるとはどういう意味か」について話し合います。そしてアニメの登場人物に触発されたパフォーマンスは、女性らしさの概念に疑問を投げかけます。

Clara Campos /Brasil 2020年AIRY滞在作家

日本のアニメや少女文化に影響を受けたマルチメディアアーティスト。魔法少女シリーズでは、少女達を日常の行動に没頭させ、女性の多様性を探求することで、女性らしさとジェンダーの役割について事前に与えられた概念に疑問を投げかけています。

②「When timeless arrived, I moved」(4.5min) DANSAN
+ ダニカ&サンダートーク 聞き手 井野美奈 15min
「わたしは止まり、ゆっくりになる」

永久(とわ)が表層にやってくるところで

束の間の数分のうちに数か月が流れている

ときに見えないわたし、それでも動き続ける

動きの中にいつづけるわたしたちはふたたび出会う


DANSAN /ダニカ 2018年AIRY滞在作家、2019年より京都在住

ダンサンはオランダ出身のデザイナーDanika van KaathivenとアーティストSander Hagelaarによるユニットで、日本とオランダの二拠点でコラボレーションしながら活動している。結成のきっかけはオランダ・アーネムの美術大学で出会い、「ことば」と「コラージュ」という共通の興味があること。昨年発表されたダンサン初のプロジェクト”Toch komt eenkeer de tocht”「それでも冷たい空気が通り過ぎる」はオランダ語の詩集である。

③「母性と混沌」(10min)ノリコ ナカムラ

+ノリコトーク 聞き手 五味文子 15min

生まれたばかりの新生児はまるで混沌そのものです。出産を通して私の子宮は小さな混沌を生み出しました。出産後、伸びきってぶよぶよのお腹の中で私の子宮は空っぽになりました。産後鬱の症状として、私は過去のトラウマ的な体験のフラッシュバックの混乱を経験しました。まるで空っぽになってしまった私の子宮が混沌としたものを体に吸い込もうとしているようでした。このビデオ作品を通して私は母性と混沌の関連性を見つめます。

ノリコ ナカムラ /甲府市出身オーストラリア在住 、インスタレーション・彫刻

日本の高校を中退してオーストラリアの高校編入と卒業。ロンドン→メルボルンでファインアートと彫刻を学ぶ。海外に出て考える日本のアニミズムや日本の儀式を彫刻とインスタレーションで表現。  アーティスト・ラン・ギャラリーでメンバーとして5年間活動。大学講師としてレクチャラー、ワークショップ講師などの経験を持つ。主にメルボルンで個展を開催。現在大学院でアートを学ぶ。出産の経験を通し二元論や生物的なジェンダー差などに疑問を投げかける作品を制作。

■日時(全2回) 2021 年
11月 19 日(金)19:00-20:30 ①・②・③
11月 20日 (土)13:00-14:30 ①・②・③

※受付開始・開場は開演の 30 分前 

■会場 文化のるつぼ へちま 3FへちまSTUDIO

■要事前予約 10月25日(月)10:00~ 

上映&アフタートーク

            Clara Campos in Brazil Talk             
撮影 | 米持幸正

 右脳と左脳での思考の違いを学んだのでどんな感想なのか共有できたらいいなと感じました。はじめての短編映画、機会があったらまた来ます。→見る側、受けとる側、それぞれの答えがその人の心の内にあってそこからまた次の何かがうまれていく。アンテナがなければ受けとれないこともそれもまた人生。よい時間をありがとうございました。→ とてもキョーレツでした。どの作品も響くものがあり考えていまいます。→ 触れたことのない世界観で刺激を受けました。深い、良く分からない感じを、今日これからの時間で考えてみようと思います。そんな楽しみ方もありだと思わせてくれる作品でした。頑張ってほしいと思います。 → それぞれの方が映像作品という共通性はありながら、自由な表現方法でそれぞれのはっきりとした探究テーマを表現していて面白く、又、刺激的でした。ジェンダー、フェミニズムについては自身の関心事でもあったので興味深かったです。(アンケートから)

Danika in Kyoto Talk with Mina Ino in German
撮影 | 米持幸正

 コロナの中で作られた作品として見る機会が今までなかったので新鮮でした。私も同じ時間を過ごしていたはずなのに、みんなそれぞれの時間を過ごしてい たりと知りました。→ 「日本の文化バランス」の話が興味深かったです。「完全なるシンメトリーではない」が特に * → 新しい視点から映画を見れたことが貴重でした! → Art寄りのショートムービー、どんな感じ?予想外な3作品でそれぞれ違う見せ方に不思議な世界に引きこまれました。 → ダニカさんがインタビューで日本語で適格な言葉を丁寧に探し表現しているのが素晴らしかったです。→ 自由な表現、楽しめました。また次回期待します。(アンケートから)

*「日本には特別なバランスがあります。完璧なシンメトリーという意味ではなく、入念に作りあげられた不完全さのようなものが、全体をどこかミステリアスで遊び心のある、美しく魅力的なものにしているのです。」(映画祭質問票へのダニカ返答より)


Noriko in Melbourn Talk with Fumiko Gomi in Kofu
撮影 | 米持幸正

 とてもよかった男女の性差について、単純に分けられるものではなくグラデーションであることを強く感じました。グラデーションの中で、居心地の悪さや不利益を感じている人がいる事実は受け止めつつ、性差やグラデーション、得手、不特手の尊さも同時に感じました。女性の妊娠、出産に前後する混沌を垣間見て、男性の思春期の性欲なども、コントロールできないものを無理やり制御しているという点で、同じようなレベルの強い厄介なものであり、生命を突き動かす神秘のようにも思えた。善悪や美醜を超えている。→ まだまだ日本では取り上げにくい題材ですが、アートの力で伝わるコトってあるんだなと改めて思いました。カオスでこの世はできている。→ アフタートークもあってよかったです。ノリコさんの作品は、未知との出会いでした。→ おもしろかったです。アート(物で作るアート)が映像を発見したって感じ。カオスが原点だね → 作品だけでなくアフタートークがセットであるからこそ、自分の中にしっくり落とし込める内容でとても良かった。終わった直後で気持ちがカオスすぎます。母性についての作品が好きでした。性的な表現は苦手なのですが、彼女の内側には共感できました。→ 自身も出産を経験し、今までの「あたりまえ」はあたりまえではなくなり、心身ともに困惑し疲れ切っていた過去の自分を思い出しました。混沌とした時期もすぎ、今は、昔とはちがう考えも増えた気がします。言葉では伝えきれませんが、とても素晴らしい作品でした。 (アンケートから)

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12月上映 手塚 悟 監督 三本立て

『Every Day』

『正しいあとさき』

『Moment』

■日時 全2回

①12月10日(金)19:00-21:00

②12月11日(土)13:00-15:00

※受付開始・開場は開演の 30 分前 

■会場  文化のるつぼ へちま 3Fへちまスタジオ

■参加費 1000円/お一人

■要事前予約  11月30日(火)10:00~

■ 上映作品3本

①『Every Day』 95min/2016

 これまで『つるかめのように』『こぼれる』など数々の短編が国内外の映画祭で高く評価されてきた手塚 悟監督。音楽家・haruka nakamuraの楽曲「every day」から着想を得た本作で、満を持しての長編デビューとなる。主演には人気劇団「ヨーロッパ企画」に所属し、役者としてだけでなく、マキタスポーツ主演・BSスカバー!連続ドラマ『PANIC IN』の脚本・演出を担当するなど、マルチに活躍する永野宗典。共演に『4/猫(ねこぶんのよん)~猫まんま~ 』『サーチン・フォー・マイ・フューチャー』『珍遊記』など出演作品の公開が続き、CMや舞台でも活躍する山本真由美。他にも『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』の倉田大輔、『歓待』の山内健司(青年団)ら魅力溢れるキャストが集結した。
 また、監督の熱烈なオファーにより、haruka nakamuraが音楽を担当。全編ピアノで新録された楽曲が、優しく映画を包み込む。

②『正しいあとさき』11min/2021

③『Moment』6min/2021

■予約申し込み

最新上映スケジュール | yamanashi-short-movie-2021 (jimdosite.com)

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舞台挨拶始まる
手塚悟監督    高木公佑『正しいあとさき』主演
『正しいあとさき』
監督・脚本:手塚悟
出演:高木公佑/永井秀樹/青海衣央里/鈴木睦海

「この度は申し訳ありませんでした」
その日、祥平は会社の上司である栗山の自宅で頭を下げていた。
執拗に謝罪を求めるその理由は、祥平の妻・真歩に関わることだった。
祥平の放った一言で事態は急変する。正しさとは、何なのか。

 やまなし映画祭最終回12月

 有終の美を飾るべくサプライズで舞台挨拶に駆けつけてくれたのは手塚悟監督(山梨県出身)と高木公佑さん(『正しいあとさき』主演)のお二人。掛け合い漫才のごとく彼らのテンポ良い会話に引き込まれる。同級生で同じく映画人、10年来の付き合いという。当初高木さんは『Everyday』の主演候補だったとか、いろいろなエピソードも飛び出して笑いの絶えない楽しい舞台挨拶となりました。高木さん曰く、監督はとにかく登場人物の背景やキャラクターについてとことん俳優たちと話し合うとのこと。手塚ドラマの登場人物たち、個性的で訳ありでキャラが立っているのが納得。やはり製作者や登場者の話を直接聞けるのは大切で最高に贅沢な時間と再確認した上映会でした。

 また監督からは「地方で自主制作映画祭の開催はすごく大切。来年も続けて!少なくとも三年は続けて 笑」とやまなし短編映画祭への激励をいただきました。手探りでスタートそしてないないの運営、来年どうしようかなという迷い。監督の言葉がその迷いを凌駕するのは以下にも共有する参加者アンケートを読んでから。

Everyday:日常を顧みるように、 自分の生活をふり帰ろうと思った。すべての作品において想像を掻き立てられた。 アフタートークでパーソナルの設定を綿密に設定して いる点を聞けるなど、大変良い時間だった。Everyday:とてもリアルでドキドキしながら、心に負担のかかるとてもいい映画。監督の映画が、感情やエネルギーのやり取りを凄く感じる部分があり、観ながら心が揺さぶられた→ 初めて拝見しました。Everyday:LastSundayのところからの展開が凄く面白かった。ラストはちょっと期待しつつ裏切ってくれて良かった。凄いですね。三井さん役いいですね!素晴らしい!Moment:リモートじゃなくてもお母さんなら、何度か経験することだなー。子供を邪魔にしたり怒ったりで涙して、また子供に癒され愛をもらう →山梨でしか観れないものを観ることができ、これからも続けてほしい→ Everyday:女優さんの表情がとても良かった。 ショートムービー:どこにでもありそうな1コマが映像にきれいに収まっていて素晴らしい→ Everyday:不思議な世界に引き込まれた、吉田さん。町の暮らしの中でのありそうな瞬間、見過ごしてしまいそうな瞬間、もどかしさ、人の抱えているものなど温かくありたいと思った。Moment:日本語でない日本語が素敵でSFのような雰囲気。→ 作品数が多かったかと思いました→ Everyday:ちゃんと見てあげる、それだけで毎日が満ちてくる。そんな気持ちになった→ とても素晴らしい。感じる心は豊かでありたいと素直に思った。Moment:自分の姿です。緊張が解けた瞬間、仕事から離れた瞬間、母親にかえる。まさに子供は癒し。映画を子供と一緒に観に行くことが出来て、このような機会がありとても有り難い。きっと子供も良い思い出になる→ 映像も音楽も美しかった → まず山梨にこのようなシアタールームがあることを知らなかった。いかに宣伝が大切かわかる。何かの形でバズる事が必要!あと、駐車場の問題。山梨は車社会で駐車にお金がかかる!意外と駐車料金にシビア。映画のカット割が、山田太一ぽかった。→ 手塚監督、高木さんに会えたのは良かった。→ Everyday:数年前に南アルプス市内の上映会に行き2度目だったが胸がいっぱいになった。他2本も違う世界で楽しめた → 山梨出身者や山梨で活動しているアーティストを知る良い機会だった。これからも続けていって欲しい。監督、出演者の話まで聞けて大満足→ 新しい映画のムーブメントを感じることができた→ 短い作品が面白かった→ 思いがけず、本格的な良作を見せてもらい良い意味で驚いた。来年も楽しみにしています。 (アンケートから)

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手塚悟監督を囲んでバウムアンドクーヘンとスタッフ

この場をお借りしまして
本映画祭にご協力とご参加いただき誠にありがとうございました。
また来年お会いしましょう!!