やまなし短編映画祭2022

Yamanashi Short Movie Festival 2021

文化のるつぼ へちま x AIRY プレゼンツ

June – December 2022

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公式ホームページ

予約申し込み

文化のるつぼ へちま|やまなし短編映画祭 (hechima400.com)

【企画・運営】

やまなし短編映画祭実行委員会

ハザマユミエ

坂本 泉|AIRY

山本心平|へちま

米持 壌| 武蔵野美術大学映像学科

【ロゴデザイン】

omiso

【フライヤーデザイン】

山本心平|へちま

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令和4年 山梨メセナ協会助成事業

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12月/December

===特別上映===

矢崎仁司 / YAZAKI Hitoshi 監督 

「『背後の虚無』XXX kisskisskiss から」

2015 / 30min


矢崎仁司監督作『XXXkisskisskiss』2015年に公開された5本の短編から成る映画
五人の脚本家によるKISSが織りなすオムニバス作品
『背後の虚無』はその中の一本
東京の大学に通う夏男(柿本光太郎)は、幼馴染の成生(安居剣一郎)に秘かに思いを寄せていた。夏になると故郷・山梨に帰郷し、ひと夏を共に過ごすのが夏男のささやかな幸せだった。そんな夏男に突然訪れた虚無とは…。
「kiss kiss kiss」シリーズは現在、映画24区と矢崎監督が新進脚本家と脚本開発を進めており、今後若手監督と共に取り組む発展的なプロジェクトとして進行中。
12月10日(土)
①15:00〜
「『背後の虚無』XXX kisskisskiss から」(2015 / 30min)矢崎 仁司
12月10日(土)
16:00〜
監督トーク /聞き手:荻野弘樹(山梨放送プロデューサー)
12月10日(土)
➁17:00〜
「『背後の虚無』XXX kisskisskiss から」(2015 / 30min)矢崎 仁司
料金1,000円

観覧方法は2パターン: ①+トーク またはトーク+➁

お申し込みはコチラへお願いします

https://hechima400.com/wp/2022/12/10/y-short22dec/

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へちま会場に掲げる『やまなし短編映画祭』看板を制作しました。

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文化のるつぼ へちま
いよいよ今年最後の上映会始まる
階段を昇って三階へちまスタジオへ向かいます
『XXXkisskisskiss』公式ポスターが入口でお出迎え
実行委員 米持壌による前説
矢崎仁司監督によるアフタートーク
聞き手は荻野弘樹/山梨放送プロデューサー
満席の会場風景は絶景なり
米持(未来の監督)  矢崎(現監督)  荻野(映画プロデューサー)
=オフレコトーク後の一枚=
中折れ帽とサングラスが安定の矢崎スタイル
「山梨は撮影に適した場所が多い
街は(映画)セットだと考えている
山梨は映画監督排出率が高いことが誇り」

*来場者の声(アンケートから抜粋)

先にトークを聞いて期待値や見どころを感じつつ観ることができ、斬新かつとても楽しめた/音の使われ方がよい。無音、爆音の差にメリハリあり。短編なので人物同士の関係性はわからないが日常のシーンから伝わるものがある。矢崎作品はこれまで二本観たことありとても気になっていた/貴重なトークショー、山梨映画文化をもっと知りたい。映画祭がもっと発展して欲しい。そのために力になりたい/地域における小規模な映画祭の意味はとても重要。アーティストや若い作家たちの受け皿としてこのようなイベントが各地で興るように願う/若い俳優さんと富士川町の風景が魅力的/若人の感性に触れることができた/今後ともに続けてください/このような催しを今後とも続けていただきたく期待しています/また同じ時間を過ごせると思っていた夏は来なかった。そして二度と訪れることはない。時・場所を変えて誰にでも覚えのある記憶それぞれのあの時を思い出させてくれる一本/生命のはかなさ、どこにでもある人間の営みの中で若者の葛藤が描かれていた。この後どうなるか考えさせられて今夜眠れないかも。深く心に刺さる映画。地元富士川町の人にももっと観て欲しい/『XXX』中の二本観られたらよかった。トーク付きでやまなし短編映画祭ならではの貴重な機会だった/富士川町の街の良いところが出ていた/甲州弁がよりリアルな日常を感じさせる。余韻のある終わり方は視聴者にその後の展開を想像させるためでしょうか。女性のその後が気になる/映画を作りたくなる。

*今後の希望

手塚監督、青柳監督、井原監督などのレギュラー化と新たな山梨ゆかり作家の混ざったラインアップを来年も期待。『XXXkisskisskiss』他作品も観たい/Music Video/矢崎作品すべて+山梨出身作家の作品/山梨出身監督・脚本・出演やロケ地になった作品/興味の幅が狭くなったのか自分が共感できる内容を選びがちだがアンテナを高くしてもう少し外側を見ていきたい/地方に住む人々の当たり前や人間として生活の中にある目には見えない大切なものを矢崎監督に描いてほしい/東南アジアの映画/山梨出身監督やロケ地作品を引き続き観たい。矢崎監督の他作品ももっと観たい/アニー・エルノー作品などアメリカ以外の国のもの/東京自転車節、大菩薩峠、君の名は

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11月/ November

ノリコナカムラ Noriko Nakamura 監督

Melbourn

『In the begining is chaos』2022, 7min

生まれたばかりの新生児はまるで混沌そのものです。
出産を通して私の子宮は小さな混沌を生み出しました。
出産後、伸びきってぶよぶよのお腹の中で私の子宮は空っぽになりました。
産後鬱の症状として、私は過去のトラウマ的な体験のフラッシュバックの混乱を経験しました。
まるで空っぽになってしまった私の子宮が混沌としたものを体に吸い込もうとしているようでした。
このビデオ作品を通して私は母性と混沌の関連性を見つめます。
*昨年に続き2度目の本映画祭参加

『in the begining is chaos』
女性の心身をテーマに
拒食と過食、妊娠と出産を経て身体のバランスを自ら赤裸々に演じる

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山中美於 監督

『うつる』2022, 26min

2022年東京造形大学・映画映像専攻を卒業
今作はコロナ禍において制約された制作条件の中、生まれ育った山梨の森や街を題材に1年かけて制作した卒業制作作品である。
学内のグランプリである ZOKEI 賞を受賞した。
人はいつも目の前で起きている出来事に一喜一憂する。
人間関係、日常生活、失敗や成功
敢えてそういったものにスポットライトを当てるのではなく、今作はもっと俯瞰した視点で【私=人】について捉え直している。
その媒介として【鏡】や【森】が登場する。
言葉を用いず映像と環境音だけで構成されている。
見る人の視点によって、どんな物語が紡ぎ出されるだろうか。


『うつる』
自分の存在をテーマに
人から見られる自分
本当の自分がいる
自分の多面性を赤と白のキャラクターに例えて鏡を用いて探求する

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井原純平 監督

『GRAFFITI』2022, 30min


『GRAFFITI』2022, 30min
井原純平 監督
甲府にて撮影を敢行
街に描かれたグラフィティアートをテーマにした作品で2年目の本映画祭に参戦します。
へちま会場にて監督のオリジナルグッズ物販あり
監督アフタートークあり
with 楠 大生 Kusunoki Taiki
スタジオなごみ映像クリエーター
別名microM として音楽活動を行う。
左から 聞き手 山本心平  楠 大生 井原純平

甲府の街のグラフィティを追いながら
オジサンと少女のやり取りを通じて
映える遺影写真を撮り進める
失われてゆく街の軌跡と人の心はー
命にまつわる笑いと悲しみを活写

*来場者の声(アンケートから抜粋)

ノリコさんの作品は未知との出会い/引き込まれた/ビデオレターがあったからこそ自分の中にしっくり落とし込めた/井原作品のインパクトがすごい/ 新しい視点から映画を観ることができた/触れたことのない世界観で刺激を受けた。この感覚をこれから考えてみたい。こんな楽しみ方もありと思わせてくれる作品/アートを題材にしたショートムービーは予想外の三作品だった。それぞれ違う見せ方で不思議な世界に引き込まれた/それぞれ自由な表現補法だが各監督がはっきりした探求テーマを持っている点がおもしろくて刺激的/ジェンダー、フェミニズムに興味ありノリコさん作品は興味深く、その内面に共感できた/山中監督のトークは適切なことばを探して話している姿が素晴らしい/自由な表現すばらしい!また次の上映会に期待/自身の出産経験から心身ともに疲れ切っていた自分を思い出した。ことばでは伝えきれないがとても素晴らしい作品だった/

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10月/October

マリット・シリン・カロラスドッターの『IN BETWEEN』、『A memory, a feeling by Marit Shirin』と

富田克也 監督の『RAP IN TONDOの長い予告編』をカップリング上映します。

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Marit Shirin Calrlassdotter

マリット・シリン・カロラスドッター

Sweden

2019年AIRY 滞在作家

①『IN BETWEEN』2018/6min

②『A memory, a feeling by Marit Shirin』2021/5min

①Humanity-ish というスウェーデンのパフォーマンス会社と共同で作成されたもの。ダンスを題材に、女性の「自分の体に対する権利について」をテーマとしている。
②サーミ人ダンス映画祭Lavdaのために作成された短いダンス映画。
サーミ人とクルド人の血を引く自分自身のダンサーとしての遺産と、2つの文化的アイデンティティの分裂をテーマとしている。

マリット・シリン・カルロスドッター@AIRY 2018

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こんにちは

Marit Shirin Carolasdotterです。

私はフリーランスの振付師をしていて

スウェーデンの北部にあるウメオというまちに住んでいます。

2019年に山梨県甲府市にあるAIRYに滞在して

「人間と土」いうプロジェクトを始めました。

先住民が持つ体や土地への権利に関するアートプロジェクトです。

振付を通してダンスのリサーチをするためために山梨に滞在しました。

日本の先住民族であるアイヌ民族についてのリサーチも行いました。

それ以来このプロジェクトをフルタイムで続けています。

他の先住民族ともこのプロジェクトを進めました。

私が暮らす地域にはサーミと呼ばれる民族が暮らしています。

プロジェクトを通してサーミ人やクルドの

先住民族の伝統や遺産を自分自身の中に発見しています。

今回のやまなし短編映画祭を通して日本とのつながりを持ち続けることができ嬉しく思います。

また近い将来に日本を訪れたいと考えています。

甲府で過ごした時間は非常に特別なもので

韓国、アメリカ、日本から来たアーティストたちと出会うことができました。

それぞれの違う表現の形に触れてたいへん刺激を受けて

今もその影響を受けつづけています。

このような経験を得たことも日本に戻りたいと強く思う理由になっています。

日本に滞在した翌年からパンデミックが始まって私も大変な日々を過ごしました

旅をして新しく知り合いを作ったり、もちろん誰かとダンスをしたりすることが2年間できなかったらです。

しかし、自分自身でなるべく忙しくしようと努めました。

特にパソコンの前で作品をプロデュースする方法を学んだり

インターナショナル・パフォーミングアーツの修士号を取得したりしました。

より高度な学位を取得するにはとても良いタイミングだったので

結果的には良い時間になったと思っています。

ただ、今はもう外に出て、私たちが置かれている世界情勢やそれが将来どのように私たちに影響してしてくるのかについて語る時だと思います。

自由の侵害についてもまだ答えが出ていません。

コロナ禍に置ける様々な規制はまだ無くなった訳ではなく、私たちは新たな困難に面しています。

私自身は自分の作品や自分自身に対して誠実にいようと努めて

常に旅や移動を続けることに関して少し冷静になって考える必要があります。

現在振付師として忙しくすることはとても簡単なことなのですが

少し落ち着いた生活することを心がけています。

コロナ禍の時間があったけれど

私映画製作やダンスのドキュメンタリー製作などにはあまり活動的ではなく

主に修士論文の執筆に取り組んでいました。

今回この映画祭で皆さんとお見せしたのは以前製作した作品ですが

私がどんなものを制作しているのかを見てもらうことができると思いますし

この作品で扱っているテーマは今でもなお重要です。

作品の取り方は、皆さんそれぞれに委ねたいと思いますが

最初の作品「In between」では女性が持つ自分の体に対する権利について取り上げています。

2つ目の作品では、サーミとクルドという2つの先住民族のアイデンティティからどのような影響を受け、そのアイデンティティと向き合っている私の人生を感じてもらえると思います。

ダンスパフォーマンスをつくりだす上では人間との対話を続けることがモチベーションとなり私たちが歩いている地面や自然との関わり方について探っています。

未来に残していかなければならないこの地面と私たちは実際のところどのような関係にあるかについてです。

私の目標は作品を作り続けること

そこで私は勇敢にもなれるし、激しい感情を持つこともできます。

自分のストーリーを伝えるだけでなく

他のアーティストたちや、私の周りの人たちのストーリーも伝えていきたいです。

彼らが今何を経験しているのかどのように互いに関わり合うことができるのか

自分や周り、それぞれが持っている地面との関わり方について

理解や共感を生み出す方法を探っていきたいと思っています。

将来的にもより深くこのテーマを扱いっていきたいと考えていますし

自分自身もさらに自然との繋がりを求めています。

「この世界とは何か?」

「自分にとってアートとは何か?」

「どう作品を制作するのか?」

「自分の制作のプロセスは?」

そういった問いをとにかく探り続けて学びながら答えを見つけていきます。

もちろん日本を再訪することも私の目標の一つで

特に北海道に戻り、先住民についての制作を進めたいです。

つながりを得るために積極的に行動を起こすようにしているというのもあります

今日は時間をとっていただいてありがとうございました。

作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。

もしも何か質問があれば、ぜひ連絡してください!

humanandsoil.com というウェブサイトを見ていただくと

このプロジェクトについてもっと知っていただけると思います。

ありがとうございました また会いましよう (翻訳 井野美奈)

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『RAP IN TONDOの長い予告編』2011 / 60min

フィリピンのトンド地区に招かれた、HIPHOPグループstillichimiyaのトラックメイカーおみゆきチャンネルこと、Big BenとYoung-G。
ギャング社会と密接に結びついたフィリピンのHIPHOPシーン、低所得者層の住む地域で治安の悪さの中ラップやダンスを学ぶ少年少女たち。
音楽を通じた文化交流の単なる記録ではなく、この映画の存在こそが国境を越えた人間関係をつくり出していく軌跡となる。

『RAP IN TONDOの長い予告編』

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アフタートーク前半
アフタートーク後半

*観客アンケートより抜粋

富田作品についてタイトルしか知らなかったのでこれから『サウダージ』『バンコクナイツ』を観るのが楽しみ/hiphopに込められたリリックや音楽の持つ可能性について知ることができた/音楽ドキュメンタリーをもっと観たい/人のパワーを感じる映画をへちまスタジオで観るのがいつも楽しみ/黒澤明作品を観たい/hiphop文化や現地の雰囲気が伝わり感動した/現地に入って人々と打ち解けて仲良くなるスキルが欲しい/数年後にはノーベル平和賞受賞を期待/チェコのアニメを観たい/五感に訴えてくる作品だった/監督の生アフタートークを聞けてより理解が進んだ/私たちの世界とかけ離れた世界があることを改めて知る/山梨でロケしている作品をもっと観たい/二人の監督作品を観て改めて音楽の力強さを感じた/富田監督トークは聞きやすく引き込まれると共に人柄の良さを感じる/すばらしい映像体験だった/

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9月/ September

丹澤由棋 監督の 「映像と詩の関係性を探る短編映像集」 と

手塚 悟 監督の「サクラいつ咲く・・・」をカップリング上映します。



「映像と詩の関係性を探る短編映像集」
UNTITTLED はる -朗読- のべのかぜ(2022 / 20min)

丹澤 由棋
詩人ウチダゴウさんの詩を題材にした3種類の作品を一本にまとめました。それぞれ違った役割で詩が扱われ、詩と映像の関係性を実験的に模索する作品集です。

今回二年目のエントリーの丹澤監督

実際に観るまでは、誌と映像の関係性って何だろうとはてなでした。共通するのはウチダ氏の詩がベースにあること。それぞれ三篇は表現方法は全く異なりますが、詩人のつぶやく人間と生活、そして監督のイメージする信州の大自然が底辺にあるので統一感があり、最終的に心地よく詩人の世界に誘われます。そして今回の三作品オムニバス形式として上映は、本映画祭のための特別編集とのこと。実験的な編集バージョンでの新作上映はまさに一期一会でした!

幻想的な一本目「UNTITTLED」でパンチの効いた導入、早春の安曇野でウチダ氏がとうとうと朗読する二本目「はる-朗読」、現地松本の空気感と地元シンガーの声に惹かれる「のべのかぜ」

それぞれ三つの違う手法で詩を浮き上がらせることにより、詩人と映像作家の世界観が交錯して互いを際立たせていると感じました。

UNTITTLED

はる -朗読-

のべのかぜ

名インタビュアー山本と丹澤監督
この日は八ヶ岳ハイライフ(小淵沢)フェス会場撮影から駆けつけて
有名企業のイメージ映像から
野外音楽フェスや国際芸術祭まで手掛ける丹澤監督
映像作品を使ったインスタレーション、インターラクティブ表現にも興味大です

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「サクラいつ咲く…」(2000 / 31min)

手塚 悟
2000年、手塚監督が山梨を出る前の18歳の時に製作した作品。
本作はHi-8といういわゆる8ミリビデオというフォーマットで撮影、当時ではまだ珍しかったパソコンでの編集。
基本的にフィクションではあるが、図らずも当時の監督自身をかなり投影した原点の作品であり、後に続く手塚作品「Every Day」につながるもの。
今回、へちまでははじめての上映 です。

手塚監督も今年二年目のエントリー

今年の本映画祭フライヤーでは

’9月 手塚悟 監督 上映作品未定’ とあり

気をもんだ皆さまもいらっしゃるのでは・・という危惧をよそに9月も早々に上映作品 「サクラいつ咲く…」(2000 )上映を表明してくれました。安心するとともに高校時代最後の作品を今観ることの意味についても聞いてみたいと思いました。

将来、映画に携わる仕事をしたいと強く思い描く地方の高校生が悩みながら短編作品を撮ります。出演してくれた俳優に渡そうとしますが彼女の行く末は・・観る者には手塚監督自身の高校時代を彷彿とさせますがそこはフィクションだそう。

撮影当時2000年(平成12年)前後の生活スタイルやインターネット事情が思い起こされて、この20年の生活変化と環境発展に驚きます。

小学生時代にジャッキー・チェンに憧れて自分でも 同年代の友達 と撮影を始め、その後大人の参加者も募って本格的に撮りだしたという監督。この作品を仕上げて大学のAO入試に期限までに提出するーというミッションもあり完成をみたとか。その経緯を聞いて瑞々しい高校生の熱意とエネルギーを感じました。結局、本作品が認められて大学合格があり、本格的に映像手法を学ぶスタートラインに立つことになったという記念碑的作品です。

20年過ぎた今また本作品を観なおすことで当時のビギナーズの意欲を再確認、これからの映画制作を改めて考えるー監督にはそんな意図があったんです。がむしゃらな気持ちや制作への衝動はどんな分野でもものつくりする人には不可欠、どうやってそれを一生持ち続けるか?クリエーターの一生の課題でしょう。自分の思い入れの多い本作で今年の映画祭にエントリーしてくれた監督のお気持を知り、アクティブかつストイックに制作を続ける監督の一面を見た気がしました。

監督本人と父上光男氏がアフタートークに登壇
光男氏は監督の父でプロデューサーで一番の理解者
ファミコンとジャッキー・チェンに夢中な小学校時代
小学校担任に刺激を受けて自らも撮影を始める話など
一番近くで見ていた人のことばは
愛と説得力があります。
お揃いでご登壇ありがとうございました!
光男氏 近影 
代表作「EveryDay」で渋いバイプレイヤーとして登場も忘れられない一コマです

*観客アンケートより抜粋

短編映画を観る機会がないので短時間で何を表現するのか興味深く観た/手塚作品は淡い恋の感情を思い出させる/丹澤作品は読み解きがむずかしかった/監督自身のこれまでの人生ヒストリーをドラマ化する作品を観たい/撮りためた映像を使ってこんなにすばらしい作品にまとめることができると伺い驚いた。映画の力ってスゴイし監督は天才です/手塚監督父上の話も聞けてよかった/手塚作品をもっと観たい/丹澤作品は風景など明暗のコントラストがすばらしい。何度か観るともっと深く理解できるかなと思う/手塚作品は高校生時に撮った素材とのことで大人には見えない純粋性があった。製作の苦労話は貴重だった/山梨の風景などゆかりのある作品を観たい/手塚監督の新作品が楽しみ/アフタートークで制作秘話を聞いて驚きの連続でした。昔の携帯電話事情を思いだした(世代的に)/監督父上が登場する企画自体が楽しい/いつも興味深い作品を取り上げてくれてありがとうございます/

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7月/ July

夏休み特別版 
映像作家/モーションデザイナーとして活躍する 
窪田慎さんを招き、WSとトークショウ 
二部構成の1日です。

ものを作るのが好き!というお子さまから映像の世界に興味がある!という学生も大人も楽しめる内容です。
ぜひご参加ください。
(※午前WS、午後、トークショウで内容が異なりますのでご注意ください。)

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7月30日(土)
△第一部・10:00-11:30 
WS 動くキャラクターを作ろう
Makoto Kubota

自分で並べて作ったキャラクターが画面の中で動き出す
オリジナルの動画を作るWSです。

持ち物/のり、はさみ(子ども用など使いやすいはさみが必要な方のみ) 
※はさみはこちらで用意しておりますが、子ども用はございませんため、必要な方はお持ち下さい。
◯3歳以上~(未就学児は保護者同伴)
〇小学生以上は子どものみの参加OK
〇参加人数が複数の場合は備考欄へ詳細をご記入ください。
(例 親1名、子2名(10歳、4歳)。※子どもの年齢もご記入ください)

△第二部・ 13:30 -15:00
Makoto Kubota の仕事のはなし
関ジャニ∞、CIRRRCLE、神山羊のMVだったり、シナぷしゅやEテレ、YBSやUTYまで数多くの映像を手掛ける窪田慎の実際の作品を上映しながら、その仕事裏のお話をきく時間です。

私たちの生活に身近な映像の世界
しかし、そもそも映像作家って?
モーションデザイナーってなに??どんなふうに映像ができているんだろう?
素朴な疑問から楽しく映像にまつわるお話を聞きたいと思います。

ナビゲーター 歩帆舎 五味文子

今回の企画・運営・インタビューを取り仕切る五味文子(歩帆舎)with a baby
まずは本日の講師 窪田 慎氏の紹介から
タイトルは「動くキャラクターを作ろう!」

予め切り抜かれたカラーパーツを
キャラクターを想像しながら黒い紙上でアレンジする子どもたち
このあと各自で糊付けへ
そのあと子どもたちのキャラクターを一つずつ丁寧に入力する窪田
デスクトップを会場へ持ち込んでの大仕事
ここはプロの技術~まるでマジック!!

先生の作業を間近で見つめる子どもたち
憧れの先輩を見つめる眼差し~
講師本人が映画祭に来てくれることで生まれた
貴重な時間でした。
これはすばらしい夏休みの思い出になったね!

間もなく子どもたち全員の動くキャラクターが勢ぞろいした瞬間
わ~い壮観ですね!!!
元絵のキャラクターを持って先生と記念撮影の一枚
先生も子供たちもうれしそう

続いて午後からはトーク「窪田 慎の仕事の話」主に大人向け を開催

小・中・高の甲府時代と浪人を経てムサビ時代の話

在学中から心がけた興味あることへの学びと実践

社会人になってからの仕事への集中は時に夜を徹して朝までも

様々な企業からの仕事依頼にひとつづつ丁寧に応じる窪田の姿

それも自分と周囲が楽しみながらの対応をする姿

まさに自分の特技を生かしてさらに楽しみながらの仕事スタイル

だから周りをハッピーにできるんですね!と納得いたしました。

(左から)窪田の甲府同世代/美術系受験メンバーお二人も 会場に駆けつけて
五味文子、窪田 慎

惜しみなくプロの技を公開してくれた窪田氏ありがとうございました!!

コロナと猛暑で開催が危ぶまれる中、監督との連絡調整、参加者募集、キャラクターパーツの準備などに奔走してくれたナビゲータ五味文子、映画祭実行委ハザマユミエ、ヘチマ管理人山本心平に心より感謝を申し上げます。

当映画祭は8月は夏休みをいただき、次回は9月10日(土)手塚 悟監督・丹澤由棋監督両氏の作品を上映いたします。こちらもまたよろしくお願いいたします。

*観客アンケートより抜粋

本職の方の話を聞いて仕事の流れや作品つくりについて知ることができた/ストーリー性ある劇映画以外にも今回のようなアニメーション寄りの映像なども観たい/自分は普段は実写の作品を撮っているが最近はグラフィックデザインにも興味ある。パソコン一つでつくれる3DCGの世界はとても夢があり素敵だなと思う。/「絵に魂を吹き込む人」という言葉が降りてきた。あっという間に時間が過ぎた/とてもおもしろかった/感動しました/

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6月/ June

青柳拓監督の「ひいくんのあるく町」、「井戸ヲ、ホル」と、小野田藍監督の「陶製手榴弾でキャッチボール」をカップリング上映いたします。

両監督からビデオメッセージ+サプライズゲストあり

日時:6月25日(土)❶11:00~ ❷15:00~ 二回上映

申し込み:予約制 各回定員13名

料金:1000円/お一人


🎦「陶製手榴弾でキャッチボール」(2020 / 2min)小野田 藍
知人が持っていた陶製手榴弾の殻を見た時、伝説の投手・沢村栄治が肩の強さを買われて戦地で手榴弾を投げ続け、後に戦死した逸話を思い出しました。その後すぐに陶製手榴弾をネットオークションで入手し、それをボール代わりにして友人とキャッチボールをしてみました。スポーツのうちにある「戦争的なもの」が、スポーツからはみ出てむき出しの「戦争」になることは大いにあり得るし、僕がそのきっかけとなってしまうこともまた大いにあり得ることだと思っています。


「陶製手榴弾でキャッチボール」

入甲ままならずビデオレターを寄せてくれた小野田監督
本編 「陶製手榴弾でキャッチボール」より長い 4分24秒
お楽しみください!

 壊れやすい陶製の手榴弾って?惹かれるタイトルの短編でした。なぜ陶製なのかからそれを投げ合うのはなぜかという疑問。幅広い分野で活動する現代美術作家小野田ならではの、鋭い視線とユーモアがそこにはありました。考えさせられる映像作品と言えます。濃い緑を背景にキャッチボールする二人の姿が脳裏に残ります。

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🎦「ひいくんのあるく町」(2017 / 47min)
🎦「井戸ヲ、ホル」(2020 / 36min)青柳 拓

大学の卒業制作ながら評判が広がり劇場公開された『ひいくんのあるく町』と、ほとんど上映のない幻の短編『井戸ヲ、ホル』。それぞれの舞台は共に監督の故郷である山梨県市川三郷町。上映機会少ない作品ですのでどうぞお見逃しなく!


「ひいくんのあるく町」

「井戸ヲ、ホル」

 次期新作撮影のため青柳監督のアフタートーク登場がキャンセルになりましたが、ピンチヒッターとして「井戸ヲ、ホル」にも登場しているサイトウ氏がギター片手に駆けつけてくれました。

 急遽新作撮影に突入したために監督不在のアフタートーク。監督直筆のメッセージが鑑賞者全員に配られました。残念でしたがサイトウ氏はそれを補って余りある内容のトークとミニライブを披露してくださいました。ありがとうございました!青柳監督の次期新作にも期待大です。

上映会場へちま受付
会場ではパンフレット販売も好評でした!
先日亡くなった*佐藤忠男氏に
「世界に”日本というのはこういうところだよ”と紹介するときに見せたい映画」
と言わしめた作品。
*青柳監督が在学した当時の日本映画大学学長

「東京自転車節」も近いうちに上映したい
右上は青柳直筆メッセージ
サイトウ氏(右)とへちま管理人山本(左)とのアフタートークでは以前のエピソードも披露されて
数年前のへちまでの富田克也監督上映会に参加した
(左から)青柳、ひいくん、高野、富田
この後のサイトウ氏によるミニライブ曲が「Stand by Me」
毎回鑑賞者に書いてもらうアンケート
ひいくんの笑顔は人の心をつかむ

*観客アンケートから抜粋

青柳作品はどちらも面白く何とも言えない気分になった/映画を観た後でカフェで感想を話し合うのが好きなので今日も誰かと話したい気分/撮影中の選挙ムービーが楽しみ/ひいくんとご一家、市川大門の皆さんのご多幸を祈ります/ひいくんの映画は話題になっていたので観られてよかった(うまくことばにできないが)/『井戸ー』ではひたすら自分の肉体を使っている。ゲストトークのサイトウさんが行動の基本は「楽しいかどうか」と言っていたことに驚く/コロナ禍にこれを観られてよかった/地域の人々の近さや温かさ、地域力を改めて感じた/共生社会のモデルと言える。ひいくんが自然と地域の人々を巻き込んでいる/青柳監督とサイトウさんのコンビがおもしろい。冷静・現実的・がむしゃら・夢を感じる/ドキュメンタリー映画は退屈というイメージが変わり三篇それぞれおもしろかった/「井戸をー」では全く意味のないことをする姿がシュールで楽しめた。これからの活動も応援します/「東京自転車節」も観たい/街をぶらぶらする時間も井戸を掘りまくる時間もそれぞれの価値観がある。自分が日々過ごす時間も同じ時間だと感じた。掘られる土の目線になれたのも楽しかった/小野田作品の最後で爆発することを期待した/ひいくんを見守ってきた街の人々は病気や老いについて互いに関りを持つ。周囲を巻き込むことでプラスのパワーになっておりこれからの地方の在り方を考えさせられる/「井戸ー」の続編を観たい/「井戸ー」の中で危うさのようなもの(脚立の間違った使い方などすごくリアルな温度感を醸し出すところが好き。レアな上映作品なので観られてよかったし青柳監督の温かい人柄を感じてトークショーも楽しめた。アフタートークでは富田監督とのつながりもわかった。これからも映画祭情報をチェックします。/ひいくんには変わらず市川大門の街並みでずっと微笑んでいて欲しい。ひいくんは今を生きている。「井戸ー」では水が出なくて残念あんなに一生懸命掘ったのに。地底人を見たかった/市川大門の街へ遊びに行きたい/人間味のある作品をどんどん上映して欲しい/天使のようなひいくんと現実的な感じのお母さんお姉さんが対照的でおもしろい。犬小屋に頭を突っ込んで寝るところがいい。水口屋のお店のフォントがかわいい。ひいくんの筆文字がスゴク良い(映画タイトルに使われている)/ひいくんのガラケーが懐かしい。昔は市川大門が栄えていた。幼少時の監督とひいくんが似ている