Andree-Anne Mercier/Canada

Andree-Anne Mercier

Canada

www.andreeannemercier.com

Painting, drawing, sculpture, installation, computer art

Residency October – November 2017

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アンドレ・アン メルシェ

カナダ

絵画、素描、彫刻、インスタレーション、コンピューターアート

2017年10-11月滞在

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I’m a multidiciplinary artist; painting, drawing, sculpture, installation and computer art are my skills. I want to include in my work kitsch of different cultures and nation. In order to do so, I must learn and open my universe.
My approach is eclectic : it varies of abstract arts to figurative portraits; installation to collage; illustration to video. What gathers my corpus it’s a certain taste for irony, absurd and everyday life. On the visual plan, the pastel or pop colors, the rounded off and soft forms, miniatures, compose the majority of my work.
My practice explores the universe of popular culture and tends to question various aspect of the society. I offer a mockery of the society through absurd, colored and dreamlike universe. I want to raise the commonness of everyday life and give it an impressive status. My approach tends to accept, to analyze and to use all the elements carried by hand to make it playful and accessible. I work with objects who have served and are now old-fashion, anecdotes which took place and were
transformed and forgotten in time. They are there and waiting to serve.
The use of mass consumption is for me a way to question and criticize the subject. An auto-derisory shutter sector is always present in my work; I’m include in the mass thus, I self-criticize myself. I use kitsch as esthetic template and the ways of marketing popular culture as autopromotion of my work.
I also play with the status and convention of the art world; transform an object from a trash can into an art piece, it’s fascinating. The mediocrity calls out to question me and I position it in an imaginery universe, where the limit between truth and forgery is thin. Playful and easily accessible, my work questions the everyday life of the mass. By using key referents and humour, it can be appreciated
by the common run of people.

 メルシェは広い表現領域を網羅するアーティストです。絵画、素描、彫刻、インスタレーション、コンピュータアートをスキルとして表現します。世界の異なる文化や人々を理解してキッチュに表現するためには、多くを学ぶ必要があります。そのために彼女自身の宇宙を開こうとしています。。
さらに作家のアプローチは折衷的で、抽象的な芸術から比喩的な肖像画まで多様です。コラージュを制作して、イラストレーションでビデオを作ります。彼女が集めるものは、皮肉でばかげたていて、それは日常の中でいい味を出しています。
また色はパステルまたはポップカラーを、素材は丸みを帯びた柔らかいフォームやミニチュア、合成を好みます。制作段階では大衆文化の世界を探り、社会の不条理に対してカラフルで夢のような宇宙作り上げて、社会への嘲笑を提供します。
作家のアプローチは不条理を受け入れて分析し、手作業を使って遊び心を持たせるものなので、アートへのアプローチを容易くしていると言えます。

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「日々の色」

アンドレ・アン メルシェ

2017年11月18(土)11:00-20:00

                            コラージュワークショップ 15:00-17:00 無料・予約不要

   オープニングパーティー 18:00-20:00

19(日)11:00-18:00

@Picnic  〒400-0032 山梨県甲府市中央4-3-25  柳小路内

I’m a multidisciplinary artist from Montréal, in Canada. I graduated from UQÀM (Université du Québec à Montréal) in 2015. AIRY is my second artist residency in Japan. My artwork include different medium as painting, drawing, computer art, installation and sculpture.

My approach is eclectic : it varies of abstract arts to figurative portraits; installation to collage; illustration to video. What gathers my corpus it’s a certain taste for irony, absurd and everyday life. On the visual plan, the pastel or pop colors, the rounded off and soft forms, miniatures, compose the majority of my work.

My practice explores the universe of popular culture and tends to question various aspect of the society. I want to raise the commonness of everyday life and give it an impressive status. My approach tends to accept, to analyze and to use all the elements carried by hand to make it playful and accessible. I sometimes work with objects who have served and are now old-fashion, anecdotes which took place and were transformed and forgotten in time.

The present project I’m doing in AIRY, is inspired by my last 3 months in Japan. I visited Tokyo and Okinawa before coming to Kofu. I spend these three months studying and creating artworks influenced by what surround me, but especially buildings and environments. I’m curious about the information and the visuals that is around us. I’m using the shapes, forms and colors of the everyday life to create abstracts paintings and sculptures. In a way, art surround us in everyday life, sometimes we just forget about it. I’m trying to pick little details that seems useless to create something new with it. I like to decompose the photography I took, by isolating shape and color.  After I just play with it.

作家は、カナダ・モントリオール在住、2015年にケベック大学モントリオール校を卒業した。様々な角度から多角的なアプローチを施すアーテイストである。ここAIRYでの滞在は、彼女にとって日本における2度目のアーティストレジデンスとなる。彼女の表現方法は、ペインティング・ドローイング・コンピューターアート・インスタレーション・彫刻と多岐にわたる。

彼女のアプローチ法は様々な事象を取捨選択する方法をとる。それらは、抽象的表現から形状の描写、インスタレーションからコラージュ、そしてイラストレーションからビデオ映像までといった具合である。彼女の作品の集大成は、いわば日常に存在する少々の皮肉や、不条理性をも含んでいる。それらを表現する際、パルテル調のポップな色や丸みのある柔らかい形を使い、ミニチュアな表現法などが彼女の芸術の多くを占めている。

その表現方法は、ポップカルチャーの全領域を模索し、そこから社会の様々な事象に対して問いを投げかけている。「日常の生活に存在する共通性を発見し、そこに光を当てたいのです。」と彼女は言う。ゆえに、様々な日常の出来事や事象を受け入れ、分析した後、それらをユーモアをもって面白く受け入れやすく創造していく。その表現の過程において彼女は時折、以前は一世を風靡したがすでに時代遅れになっていたり、一時はもてはやされたものの忘れられていった逸話などについても触れているのである。(彼女の作品の中にどこか懐かしさや古めかしさが垣間見えるのはそのためであろう。)

現在AIRYにて取り組んでいるプロジェクトは、この3か月における日本での滞在の中から影響を受けたものによって生まれた。甲府に滞在する前は、東京と沖縄を訪れた。この3か月間、彼女の身の回りを取り囲むものから影響や刺激を受けたものを探索し、芸術として具象化していくことに専念してきた。特に、日本の建物やその周りの環境について着目した。身の回りに存在する情報や、ビジュアルについて特に興味をそそられたと言う。そしてそこに存在する日常の形、姿、色を使い、抽象的な絵画や造形などの作品を作り上げた。言うなれば、芸術は私たちの日常に存在しているのだが、ただ見過ごしている。そんな一見取るに足らないと思われるものに焦点を当て、新しいものを造り出したいと願っている。例えば、撮った写真に写る要素、エレメントを分解し、そこから形や色だけを取り出すーいろいろと手探りで思いを巡らせながら。(翻訳:岸本華子)

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-Collage workshop with the coordinator Yuko Kanda-

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-Opening Party-

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『ワークショップに参加して』前田佑子

カナダから来ているアンドレアン・メルシーちゃんの「日々の色」という個展に遊びに行きました。
ワークショップは色紙を使ったコラージュ。ワークショップってよく使われる言葉だけど、何するの?っていままで思ってたけど、参加するようになってから楽しさが分かりました。一緒に参加して作るのって楽しいです。作者の意図を汲んで、自分なりに考えてみると、ただの受け手の傍観者より楽しい。それに作者の表現したい世界観も分かりやすくなる。自分で何かすることは、意味を飲み込んでからじゃないとできないからなのかな。

アンドレアンちゃんとは、ひょんなことから仲良くなりました。
言葉はお互いに全然分からないです。
私は英語全然話せないから。でもなんとなく仲良くなれました。仲良くなれる人って、言葉とか人種とか肩書きじゃなくて、その人の持ってる雰囲気で自然に選んでいるんだって実感します。
アンドレアンちゃんは落ち着いてる雰囲気があって好きです。穏やかでのんびりな感じ。
自分の元々の友達も、楽しくて明るい人より、落ち着いてる穏やかな人が多いけど、AIRYに来ているアーティストと関わることで、これは言葉の通じる日本人だけじゃないんだなって思いました。
彼女の個展会場も、シャンソンが流れる10畳足らずの小さなボックス型の空間で、ストーブが暖かくて、彼女のミニマムな優しい表現にぴったりでした。

会場にはパステルカラーに色付けされた、抽象化された何かが、ぽつぽつと描かれているキャンパスたちがありました。
正直、はじめ私は「これは一体なんだろう??」と思いました。
現代アートに多い抽象画ってあんまり好きじゃないんです。抽象画が好きじゃないっていうより、なんだか意味深げに「私だけはこの良さがわかるのよ」みたいにみえる観客の姿勢が好きじゃないんです。
それで、ある一定の人たちは諦めて、「やっぱり芸術って分からないよね」って言い出す状況が好きじゃない。門戸を狭くしてて、開かれていない感じが好きじゃないし、オシャレだけど、不親切だって思ってたんです。
作者側だって、言葉で表現しきれないものを、別の表現で表すのが芸術なのに、なんで言葉で補足しないと分からないようにしてるの?それって不親切だし、完結してないってことじゃないの?って思ってたんですよね。

でも、ワークショップで切り絵を作るとき、彼女の作品を参考に見せてもらって、コーディネーターの方に説明してもらったら、彼女の試みと、この個展の見方がよく分かりました。

今回の個展は、アンドレアンちゃんが甲府の街並みの中で、印象に残った風景の、色と形を捉えて、気になったところだけ抽出してるんです。線やディテールや物としての意味じゃなくて、ものを色で捉えてる感じ。
彼女は写真をパソコン上で一部抽出し、それをキャンパスに書く手法を取っているそう。
だから、これは風景画なんです。
実際の写真が左側、その写真を参考にした彼女の作品が右側に配置してある紙を見せてもらったら、分かりやすくて、なるほどなって思いました。

シャッター、トタン屋根、外付けのエアコン、よくわからない増築した際のドアや不要な窓、外から見る風景は確かに色が有るね!普段はあまり乱雑で綺麗な街並みだと思っていないために、特に見てなかった風景だけど。

なるほど、なるほど、物の見方を線じゃなくて、色が付いた面で捉えて、色だけで表現するんだなって思ってやってみました。
あくまでも何が書かれているのか分かるようにしたかったので、細かく貼り付けました。

そして作ってみて思ったことは、色々な線やディテールや意味合いを削ぎ落とすと、シンプルな気持ちになるってこと。
自分が複雑なことを考えるのをやめて、シンプルな考えになる感じがしました。小説や映画や美術などの芸術といわれる部類のものは、物事の見方を変えてくれるから、全く同じ日常の世界が、変わって見える面白さがあると思うんです。

それから、私が作ったコラージュだと、平面的すぎるし、面白くないことがわかりました。アンドレアンちゃんが作ってるものは、奥行きがあるんだなって思いました!

風景画だってわかると、描いてない部分に奥行きを感じるんだなって。
だから、アンドレアンちゃんの作品の方が、一見何が描かれているか分からないし、何も書かれていないのに、わかった途端、風景画らしい作品だなって思いました。描いてないものが描いてあるように見えるっていうパラドックスが、よく分かったってことです。

それにアンドレアンちゃんが作ったものは、単純にステキだってことです。
透き通っていて、余韻があって、優しいかんじ。

のんびりできたし、面白い個展でした。(原文のまま)