Closing Live ❶ 活版ゾンビーズ Poemreading, Guitars, Keyboad, Violin, Dance
僕がはじめて怪物くんにあった時
AIRYの外階段をのぼったところにある
扉に絵を描いていた
その日訪れた個展の主だとも思わずに
いつも風変わりな面白い人が集まる場所だなあと思って僕は心を躍らせた
怪物くんはどんな時でも絵を描いていた
僕はその背中を真似て
移動するとき
ひとりでご飯をたべるとき
どこでも絵を描くようになった
怪物くんの絵の講義を受けたら
心の向くままに鉛筆を走らせること
そこから浮かびあがった絵柄をもとに作品を作ること
それは僕が文章を書くときとおなじだった
何も考えずに浮かんだフレーズを書いていく
その断片を拾って
つなぎ合わせていくと
気がついたらテーマがきまって
何かが出来上がる
そんな怪物くんは
作品と作品のあいだによく
ことばだけの展示もするようになった
楽しい時に楽しいと言うことも
大好きな人に大好きだと言うことも
一瞬ためらってしまう僕の心に
怪物くんの赤裸々な言葉は
いつも突き刺さってぬけない
それは今もまだぬけない
たんたんと
受け入れたり
あらがったり
少年の日より文学をこころざす僕よりも
まっすぐに自分と
まっすぐに揺れ動く心と
まっすぐに今その瞬間と
まっすぐにまっすぐにまっすぐに向き合う
怪物くんからこぼれだす言葉たちは
毎日研がれた刃のように美しく
すぐには刺さったことにさえ気がつかない
僕の心に美しく
でもグサりとナイフをつきさしたまま
あばよ!って言うのかい
せめてそいつを抜いて優しく消毒して
絆創膏くらい貼っていってくれよ
<かいぶつくんに送る詩(うた):宮田ジョバンニ龍二>
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Closing Live ❷ SOU/ Sound of Univers
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Closing Live ❸ Pauline
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Thank you for the all joining to the Exhibition & Live, it is a lovely farewell to Gaku Okata who is heading to German to have more art experiences in April. We wish he will have a fruity time there. Bon Voyarge.
タイトル『エアスイミング』のair は「仮の、空想の」を意味して、登場人物のドーラとペルセポネーは隔離された生活の中で生きる歓びを見出そうと、想像上のプールへ繰り出して空中で泳いでみることを試みます。水泳帽とゴーグルを身につけて月へ向かって泳ぐキュートな仕草は、二人の女性の生命力を感じさせる大切な場面です。それと同時に息継ぎによるair「空気」を吸い込むことで過酷な半生を生きながらえる不屈の精神を感じます。AIRY は Artist In Residence Yamanashi の頭文字を取った造語、2015年の10周年記念誌タイトルは「WE need AIR」としてレジデンス施設と空気の両方を指すものでした。
大学卒業後、青年海外協力隊員としてキルギス共和国で活動中、活動先の寄宿制学校の若いラッパーたちとの出会いを機に映像制作を始める。帰国後に映画配給のバイトをしながら自主制作を始める。欧州3カ国が共同運営する大学院でドキュメンタリーの制作を学んだ後、現在はハンガリー美術大学の研究生、海外メディアの日本コーディネーター、学校講師、植木屋見習いなどをしながら長編作品を制作中。これまでの作品は、Hot Docs(カナダ)、Visions du Réel(スイス)、Doc Lisboa(ポルトガル)、True/False(米国)等多くの国際映画祭に出品、国内ではぴあフィルムフェスティバル、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル、東京ドキュメンタリー映画祭に入選。各国の若手映画作家たちと共にドキュメンタリーと周縁について思索・試作する巡回型上映・制作ワークショップ「シネキャラバン」主催。