食育イベントin勝沼

朝靄の中、食育イベントへの参加者が勝沼の農場へ集合

まきこ、たんゆう、ケイト、西川さん、トッソ 

高台のぶどう畑から見渡す夕やけは圧巻

photo by Yuki TANZAWA

 

 初めて勝沼の地を歩いたとき、道を尋ねに立ち寄ったのがここだった。
―ふどうばたけ―。大手ワインメーカー・メ○シャンへの行き方を聞いたところ、「うちでもワインつくっているよ、一番小さな規模だけどね。」確かこんな会話をしたか、その一年後にAIRYアーティストたちとここにくることになるとは、喜ばしい。
 勝沼でワイン作りが広まりはじめた20世紀当初、昔はどの葡萄農家でも葡萄酒を作っていたようです。ここぶどうばたけでもジャムや干し葡萄のほかに、当時からの圧搾機を使いながらワインを作っている。当時の勝沼の人たちが営んできた日常が今も窺わせられる葡萄農家だ。
 山梨は土地それぞれで景観や人々の営み方の違いがなんだか面白い。そう思う私はAIRYレジデンス・アーティストKate Hillを、観光農園を営むNPO法人ファームフィールド・トリップが催す食育イベントに誘った。
この日は県内の親子と一緒に混ざって食育体験をした。食育とは健全な食生活を実践することができる人間を育てること。農業体験をして、外で火を焚いておっきな中華なべでシーフードパエリアを作り、ぶどうの蒸しケーキにクリスマスリース作りをした。ボーイスカウトと調理師の経験を持つ西川さんの先導の甲斐あって実ったこの事業。
庭裏にはいつもあんぽ柿のカーテンが背景にあった。そこで地元の方と共に作業をして何かを作って食べて、冷たい水で食器を洗って片づけをして、3時のおやつにはお茶とおしんこで一休み。どれもなにげないけど山梨の風土がもたらした素敵な日常を愉しんでもらえたようだ。
 偶然にも、帰りの車の中では皆既月食前の夕暮れであった。この日の思い出をより一層感慨深くさせている。(文責 今村)