Kei Ota (太田恵以)Japan,USA

Kei Ota

born in Japan lives in NY

www.keiota.com

painting, drawing, photography

residency September – October 2017

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太田恵以

日本生まれニューヨーク在住

絵画・ドローイング・写真

2017年9~10月滞在

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Kei Ota (b. 1988) was born in Osaka, Japan and grew up in New Jersey, USA. Previously she spent 16 years as a full-time ballet dancer before graduating from New York University in 2013 with a BFA in Studio Art. She currently works as an art educator for Studio in a School and Queens Museum in NYC.

This will be Ota’s first extended stay in her mother country since she was a child. In returning to her father’s hometown of Kofu she intends to investigate her deep ancestral connections and Japanese roots. Her research includes the lives of her late grandfather Eizo Ota and her late uncle Toru Ota. Eizo served as a Chief of Police in Kofu, implementing the first traffic technology in the 70’s. He was not only a civil servant, but an artist as a self-taught photographer. His son Toru, having watched his father’s dark room procedures, went on as a photojournalist with a 30-year career before his untimely passing in 2016.

Utilizing Eizo and Toru’s personal archives and collecting anecdotes from friends and family, Ota hopes to retrace her family’s steps and record both the visible and invisible changes in the city of Kofu since their time.

Ota will explore how the longing for home and cultural identity within herself shift as she uncovers her family’s lineage of image-makers, from Eizo to Toru. She hopes to create a dialogue around the idea of memory, loss, and a reconfiguration of identity based on bi-cultural experiences between the US and Japan.

Ota works in painting, drawing, and photography. Through the lens of biculturalism and her experience as a dancer, she is interested in investigating the power of the visual image and its physical and emotional presence to the viewer.

 

太田恵以

1988年(昭和63)に大阪で生まれ、主にアメリカ、ニュージャジー州で育つ。ニューヨーク大学の美術学部を2013年に卒業するまでは、16年間、バレーダンサー一筋の道を歩み、ニューヨーク・シティ・バレエ付属のスクール・オブ・アメリカンバレエ(SAB)を卒業する。現在は、自身の作品作りをしながら、スタジオ・イン・スクール(美術の授業がないニューヨーク市公立学校をサポートするNPO団体)に登録し、公立学校やクィーンズ美術館で子供たちにアートを教えている。

今回の日本での長期滞在は、子供の時以来。甲府は父の故郷であり、彼女にとって思い出がある街。自分自身の日本人としてのアイデンティティーに対する気持ちはどう変化するのだろうか。生まれる半年前に亡くなった祖父、太田栄造は、1970年代に甲府の町の交通システムを整備し、1985年には甲府警察署長を務めた。また独学で写真を学び、甲府の何気ない日常の風景を掬い取った作品を数多く残している。父親が家で現像・焼付するのを見て育った、その息子太田亨は、その後、プロの写真家として30年にわたり活躍するも、昨年56歳の若さで亡くなった。

AIRYでは、祖父と叔父の作品や、祖父母の知人や家族など故人に縁のあった方々の話を手がかりに、家族の変遷をたどりながら、当時から現在に至る甲府の町の変化、目に見えるもの、見えないものをひっくるめ、描いてみたいと思っている。

彼女の中にある、故国へのあこがれと日本文化との同一性が、祖父から叔父へとつながり、また自身にもつながっている、映像の作り手としての脈絡を再発見するにしたがって、どう変化していくか。アメリカと日本という二つの文化を経験する中で得た記憶、失ったもの、そしてそれらを再構築し直すといった、自分との対話が行えたら、と願っている。

普段は、油絵、スケッチや写真だけでなく、身近な素材を使っていろいろなものを作っている。身体が持っているようなパワフルな存在感が、自身の映像作品からも醸し出されて欲しい。彼女自身の過去から現在にいたる文脈や思い出を通して、このテーマにどう近づけるか、いつも興味を持っている。

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Flowing Out 2017 出店

https://www.instagram.com/flowingout2017/?hl=ja

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Kei Ota Exhibition “えいぞう”

Sat 28th-Sun 29th @AIRY

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『子どもの頃よく遊びにき来ていた思い出いっぱいの街、甲府。

アメリカと日本という二つの文化を経験する中で得た記憶、失ったもの、そしてそれらを再構築し直すことで、自分との対話をテーマにしてプロジェクトである。』

今回の二か月に渡る甲府滞在では、祖父(元甲府署長で写真が趣味)と叔父(写真家)の作品や、祖父母に縁のあった方々の話を手がかりに、家族の変遷をたどりながら当時から現在に至る甲府の街の変化、目に見えるもの、見えないものをひっくるめて制作にあたった。

自分の中にある故国へのあこがれと日本文化との同一性が、今は亡き祖父から叔父へとつながり、また自身にもつながっている。映像の作り手としての脈絡を再発見するにしたがって、それはどう変化していくか。アメリカと日本という二つの文化を経験する中で得た記憶、失ったもの、そしてそれらを再構築し直すことで自分との対話が繰り返された。

普段は、油絵、スケッチや写真だけでなく、身近な素材を使っていろいろなものを作っている。身体が持っているパワフルな存在感が、自身の映像作品からも醸し出したい。自身の過去から現在にいたる文脈や思い出を通して、このテーマにどう近づけただろうか。

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日程: 2017年10月28(土)29(日)11:00-18:00

会場: 400-0031 山梨県甲府市丸の内2-37-2  AIRY

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オープニング・レセプション

   28(土)16:00-18:00 無料・予約不要

—アーティスト・トーク—

平野千枝子xKei Ota

インタビュアー紹介

平野千枝子/山梨大学准教授(美術史)

1991  新潟県美術博物館

1993  東京都新美術館開設準備室

1995  東京都現代美術館

2004    山梨大学教育人間科学部

現在、教育学研究科芸術文化コース担当

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photos by Ikumo Motosugi

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MUJINKAI-山梨のいまを伝えるウェブマガジンに

Kei Ota-「えいぞう」展を終えて- が掲載されました。

インタビューと編集 神田裕子

 

Kei Ota -「えいぞう」展を終えて –

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外部講師による小学校での絵画指導 平成18年12月

【目的】

今年度北杜市で行われているコミュニティスクール(CS)の一環として、外部講師を招き 生徒と地域社会との交流の場を設けること。

図画工作の時間のなかで、実際に活動する作家の指導を受けられる場を提供し、活きた美術教育はもちろんのこと、生徒の美術に対する意識の改善、それを通し 子供達の自発的な表現・学習意識を促すこと。

 

【活動詳細】

活動日 平成18年10月24日 及び 30日 (2日間)

活動場所  北杜市立 泉小学校 (山梨)

対象クラス  5年1組、2組

外部講師  太田 恵以 (講師詳細は別紙参照)

内容  図画工作コンクールに提出する 絵画の製作に際しての技術的、意識的指導

各クラス 全2回 計4コマ

 

【結果、成果】

デッサン、および彩色の指導 を主に行った。

導入として 目視せず絵を描く(資料2) という手法を授業開始時に行うことにより

描く ということへの抵抗感、緊張感を緩和し、円滑に授業を進めることができた。

著名な作家の作品を数点紹介し、生徒たちの 絵画に対する固定観念(絵画とはこうあるべき という先入観)を取り除き、自由な発想、表現をより促すことができた。

担任の教諭からは 普段の授業に比べ、生徒たちのやる気 集中力 作業内容が充実していた とお言葉を頂いた。授業後の生徒の活動日誌からもそれが伺えるような感想(資料3)を得ることができた。

 

【総括】

今回の活動で 生徒たちに新しい “気づき” の機会を設けることができたことが最大の成果と考える。

先入観の排除、自由な発想、想像力 またその発想を表現する行動力 これらを大いに促し、助ける 充実した内容にできた。

今回の活動が子どもたちの 自ら考え選択、行動する 力の成長に貢献している、していくことを願い 今回の活動の総括とする。

 

*協力:北杜市 アーティストインレジデンス

Chemin Du Bonheur  企画運営   本杉 郁雲

活動を通して     『Meet The Artist』 坂本 泉(AIRY代表)

甲府市を拠点に年間に約20名の作家を世界各国から受け入れる中で、その作家たちと地域の人々との交流はAIRYの活動に欠かせません。作家たちは日本人の生き方や地域の人々の生活から学び取ったものを作品化し、作家たちを受け入れる私たちは彼らの新たな視点を受けて、改めて地域をまた自分自身を見直す。よそ者が日常に入ってくることで見えてくるものがあると感じます。

太田恵以は、2歳で家族と渡米してアメリカで教育を受けた作家です。アーティストとして活動するとともに、ニューヨーク市のNPOで公立小学校への派遣美術教師として豊かな経験があります。子供好きで豊富なワークショップ経験を持つ彼女の日本での活動の場を探していました。

表題の『Meet The Artist』の目的は、そんな作家と日本の子供たちの出会いの場を作ることー今回、北杜市 アーティストインレジデンス (Chemin Du Bonheur)で  企画運営を担う本杉 郁雲氏を通して紹介を受けました。外部講師を招き 生徒と地域社会との交流の場を設ける北杜市のコミュニティスクール(CS)活動趣旨が、私たちAIRYのスタンスとぴったり合い実現に至ったことは大変ありがたい提案でした。小学生時代からアートを生活のなかで身近に感じることは、将来的に豊かな文化を愉しみ提供する人材育成に欠かせません。世界規模で活動できる人材を育てるための地道な一歩となることを期待します。