Chiang Mai – art study tour
January 2018
チェンマイ・アート研修の旅
ー世界から注目を集める東南アジアのアートシーンを訪ねてー
ホテルの窓から
まずチェンマイのロケーションはバンコクから北へ750km、バス便・列車便もあるけど今回は短い日程なので飛行機を選んで1時間ちょっとの移動。こじんまりしたローカル空港から旧市街地へは近い、乗合バスで移動しました。お濠と城壁跡で区切られた2㎞四方のエリアが旧市街で、14~15世紀ころ建てられたの沢山の寺院があります。お寺と現地の人々、観光客とホテル、食堂、屋台などが混然と存在して、その合間を縫うように自転車、バイク、車が飛ばします。この辺りはかなり観光化されて夜も賑わいを見せますが、宿泊したホテルは旧市街地を北へ少し進んだ住宅街にあったので、静かで窓からはビルマ側の山並みも見渡せて快適でした。
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▽チェンマイ国立博物館▽
市街地の西北にあってソンテウ(乗合タクシー)で10分くらい。タイ北部一帯を治めラーンナー王朝の古都だったチェンマイらしく、文化財や美術品がゆったりと展示されている。
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▽MAIIAM Contemporary Museum▽
http://www.maiiam.com/
個人コレクターが母体で2016年にオープンした新しい現代美術館、主にアジアの作家の作品を扱っている。タイ作家作品も多数収蔵。
市街地から東へタクシーで30分、旧工場をモダンなモザイクミラーファサードを持つ二階建ての美術館に改装。タイ郊外の風景の中で際立つ外観がひときわ美しい。
現在は特別展「PATANI SEMANA」を開催中
東南アジアをベースにする27名の選出作家は、世界とローカルに関する問題に携わり、各世代がさまざまな視点と方法論で迫っている。第一回特別展はチェンマイを本拠地に活動するアビチャッポン監督だったそう。
現在世界から注目を集める東南アジアのアートシーンは、ミュージアム・ショップとカフェも素晴らしく、ショップの蔵書コーナーが充実していました。
外へ出ると、数名のダンスチームがミラーファサードをバックにエントランスで実験的なパフォーマンスの収録中。まるで一幅の映画を観ているような錯覚を覚えましたね!
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▽Ne’-Na Contemporary Art Space▽
-the annex site in Mae Rim-
www.nena-artspace.com/
1998年タイとスウェーデンのアーティストグループにより設立された歴史あるレジデンス。設立と運営は今回訪ねたシュキットさん。チェンマイ市街地( Monfai)と市街地から北西へ30分ほど車で走った山裾( the annex site in Mae Rim)二か所にレジデンスを構えて、作家の生活と制作のスタイルにより選べる。両施設ともタイ山岳民族の住居を移築して利用、結婚式や映画の撮影にもよく使われるそうです。お城のような広々した居住空間でタイの伝統料理を食べながら、リラックスした滞在ができそう。展示場所はお蔵を利用したギャラリーもあるし、屋外の至るところに作品設置する十分なスペースがあります。リゾート+アートを求める方には最高、訪問した時にはヨーロッパの作家が、竹を用いた大きな立体作品を制作中でした。
今回 Ne’-Na Contemporary Art Spaceは遊工房主催の「マイクロ・レジデンス・ネットワーク」Micro Residence Networkがご縁で事前に予約して訪問することができました。 http://microresidence.net/about-mrn/
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▽ACS –Asian Culture Station▽
http://www.cac-art.info/
Asian Culture Stationは、文化芸術を通してタイと日本、そして他のアジア諸国との相互理解を促進する市民交流スペース。2016年8月日本の国際交流基金アジアセンター事業の一環として開設され、現地の協力機関である「チェンマイ・アート・カンバセーションCAC(Chiang Mai Art Conversation) 」と共に、 アーティスト同士のコラボレーションやアジアをテーマとしたアートイベントなどを開催しています。
(JAPAN FOUNDATION ページより)
訪問した土曜日午後はちょうど、国際交流基金スタッフと建築家グループが日本から来ていて、タイのアーティストたちとのミニ・トークの最終部分に間に合いました。AIとアート、機械の仕事と人間技というような内容でしたが、タイの作家リクリット・トラバーニャもトークに参加していて、ああこんな真近で~と驚きました!
http://www.cac-art.info/events/other-activities/activity/155/
photo: ACS –Asian Culture Station
チェンマイではアート中心の短い研修でしたが、建物・食事・民間信仰などすべてが新鮮で興味深い時間でした。予備知識として「バンコクより涼しい」「アピチャッポンの本拠地」「カフェ文化が盛ん」くらいしかなく、ほとんど手現地入りしてから情報を得て動きました。さほど大きくないチェンマイという街にいろいろなアート施設・団体、カフェなどが有機的に活動をしていて、大学や企業も協力的です(この項トップのChiang Mai Art Mapはジム・トンプソン社の協力で作られている)。タイ王朝時代の歴史と若い作家たちのパワーが相まって大きなエネルギーを生み出します。
例えば公共交通機関がないので、移動はもっぱら乗合タクシーをつかまえて行き先と値段を交渉します。街の食堂や市場は賑わいを見せて、おいしい作り立てを安価で食べることができます。現在世界から注目を集めるアートシーンは、活気ある日常生活から生まれていました。どんな社会をつくりたいのかどんな生活をしたいのか、市民が自ら考えて実践しているそんな土壌が豊かな文化活動を支えているのです。
近年でいえばノマドワーカーに大人気、wifiカフェで仕事する人多数
新しいアートスペースが次々と生まれている様子、目が離せません!!!
そして、やっぱりアジアは面白い!!!と感じたチェンマイ・アート研修
現地でマッサージと料理修行中の根岸みおさん、ネナ・コンテンポラリー・アート・スペースのディレクターのシュキットさんにお礼を申し上げます。ありがとうございました!
Thank you for the guide of guide/advice for Mio Negishi and Shukit Panmongkol.
*その他訪問先
Chiang Mai Art on Paper(版画工房) http://www.chiangmaiartonpaper.com/
Gallery Seescape (カフェギャラリー)http://www.cac-art.info/spaces/gallery-seescape-1/
Jojo KOBE (ギャラリー)https://www.jojokobe.com/
日本から参加者:小澤優美(左)坂本 泉(中)
現地在住協力者:Shukit Panmongkol, 根岸みお(右)