やまなし短編映画祭2022

Yamanashi Short Movie Festival 2021

文化のるつぼ へちま x AIRY プレゼンツ

June – December 2022

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

公式ホームページ

予約申し込み

文化のるつぼ へちま|やまなし短編映画祭 (hechima400.com)

【企画・運営】

やまなし短編映画祭実行委員会

ハザマユミエ

坂本 泉|AIRY

山本心平|へちま

米持 壌| 武蔵野美術大学映像学科

【ロゴデザイン】

omiso

【フライヤーデザイン】

山本心平|へちま

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令和4年 山梨メセナ協会助成事業

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12月/December

===特別上映===

矢崎仁司 / YAZAKI Hitoshi 監督 

「『背後の虚無』XXX kisskisskiss から」

2015 / 30min


矢崎仁司監督作『XXXkisskisskiss』2015年に公開された5本の短編から成る映画
五人の脚本家によるKISSが織りなすオムニバス作品
『背後の虚無』はその中の一本
東京の大学に通う夏男(柿本光太郎)は、幼馴染の成生(安居剣一郎)に秘かに思いを寄せていた。夏になると故郷・山梨に帰郷し、ひと夏を共に過ごすのが夏男のささやかな幸せだった。そんな夏男に突然訪れた虚無とは…。
「kiss kiss kiss」シリーズは現在、映画24区と矢崎監督が新進脚本家と脚本開発を進めており、今後若手監督と共に取り組む発展的なプロジェクトとして進行中。
12月10日(土)
①15:00〜
「『背後の虚無』XXX kisskisskiss から」(2015 / 30min)矢崎 仁司
12月10日(土)
16:00〜
監督トーク /聞き手:荻野弘樹(山梨放送プロデューサー)
12月10日(土)
➁17:00〜
「『背後の虚無』XXX kisskisskiss から」(2015 / 30min)矢崎 仁司
料金1,000円

観覧方法は2パターン: ①+トーク またはトーク+➁

お申し込みはコチラへお願いします

https://hechima400.com/wp/2022/12/10/y-short22dec/

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へちま会場に掲げる『やまなし短編映画祭』看板を制作しました。

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文化のるつぼ へちま
いよいよ今年最後の上映会始まる
階段を昇って三階へちまスタジオへ向かいます
『XXXkisskisskiss』公式ポスターが入口でお出迎え
実行委員 米持壌による前説
矢崎仁司監督によるアフタートーク
聞き手は荻野弘樹/山梨放送プロデューサー
満席の会場風景は絶景なり
米持(未来の監督)  矢崎(現監督)  荻野(映画プロデューサー)
=オフレコトーク後の一枚=
中折れ帽とサングラスが安定の矢崎スタイル
「山梨は撮影に適した場所が多い
街は(映画)セットだと考えている
山梨は映画監督排出率が高いことが誇り」

*来場者の声(アンケートから抜粋)

先にトークを聞いて期待値や見どころを感じつつ観ることができ、斬新かつとても楽しめた/音の使われ方がよい。無音、爆音の差にメリハリあり。短編なので人物同士の関係性はわからないが日常のシーンから伝わるものがある。矢崎作品はこれまで二本観たことありとても気になっていた/貴重なトークショー、山梨映画文化をもっと知りたい。映画祭がもっと発展して欲しい。そのために力になりたい/地域における小規模な映画祭の意味はとても重要。アーティストや若い作家たちの受け皿としてこのようなイベントが各地で興るように願う/若い俳優さんと富士川町の風景が魅力的/若人の感性に触れることができた/今後ともに続けてください/このような催しを今後とも続けていただきたく期待しています/また同じ時間を過ごせると思っていた夏は来なかった。そして二度と訪れることはない。時・場所を変えて誰にでも覚えのある記憶それぞれのあの時を思い出させてくれる一本/生命のはかなさ、どこにでもある人間の営みの中で若者の葛藤が描かれていた。この後どうなるか考えさせられて今夜眠れないかも。深く心に刺さる映画。地元富士川町の人にももっと観て欲しい/『XXX』中の二本観られたらよかった。トーク付きでやまなし短編映画祭ならではの貴重な機会だった/富士川町の街の良いところが出ていた/甲州弁がよりリアルな日常を感じさせる。余韻のある終わり方は視聴者にその後の展開を想像させるためでしょうか。女性のその後が気になる/映画を作りたくなる。

*今後の希望

手塚監督、青柳監督、井原監督などのレギュラー化と新たな山梨ゆかり作家の混ざったラインアップを来年も期待。『XXXkisskisskiss』他作品も観たい/Music Video/矢崎作品すべて+山梨出身作家の作品/山梨出身監督・脚本・出演やロケ地になった作品/興味の幅が狭くなったのか自分が共感できる内容を選びがちだがアンテナを高くしてもう少し外側を見ていきたい/地方に住む人々の当たり前や人間として生活の中にある目には見えない大切なものを矢崎監督に描いてほしい/東南アジアの映画/山梨出身監督やロケ地作品を引き続き観たい。矢崎監督の他作品ももっと観たい/アニー・エルノー作品などアメリカ以外の国のもの/東京自転車節、大菩薩峠、君の名は

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11月/ November

ノリコナカムラ Noriko Nakamura 監督

Melbourn

『In the begining is chaos』2022, 7min

生まれたばかりの新生児はまるで混沌そのものです。
出産を通して私の子宮は小さな混沌を生み出しました。
出産後、伸びきってぶよぶよのお腹の中で私の子宮は空っぽになりました。
産後鬱の症状として、私は過去のトラウマ的な体験のフラッシュバックの混乱を経験しました。
まるで空っぽになってしまった私の子宮が混沌としたものを体に吸い込もうとしているようでした。
このビデオ作品を通して私は母性と混沌の関連性を見つめます。
*昨年に続き2度目の本映画祭参加

『in the begining is chaos』
女性の心身をテーマに
拒食と過食、妊娠と出産を経て身体のバランスを自ら赤裸々に演じる

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山中美於 監督

『うつる』2022, 26min

2022年東京造形大学・映画映像専攻を卒業
今作はコロナ禍において制約された制作条件の中、生まれ育った山梨の森や街を題材に1年かけて制作した卒業制作作品である。
学内のグランプリである ZOKEI 賞を受賞した。
人はいつも目の前で起きている出来事に一喜一憂する。
人間関係、日常生活、失敗や成功
敢えてそういったものにスポットライトを当てるのではなく、今作はもっと俯瞰した視点で【私=人】について捉え直している。
その媒介として【鏡】や【森】が登場する。
言葉を用いず映像と環境音だけで構成されている。
見る人の視点によって、どんな物語が紡ぎ出されるだろうか。


『うつる』
自分の存在をテーマに
人から見られる自分
本当の自分がいる
自分の多面性を赤と白のキャラクターに例えて鏡を用いて探求する

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井原純平 監督

『GRAFFITI』2022, 30min

甲府にて撮影を敢行
街に描かれたグラフィティアートをテーマにした作品で2年目の本映画祭に参戦します。
へちま会場にて監督のオリジナルグッズ物販あり
監督アフタートークあり
with 楠 大生 Kusunoki Taiki
スタジオなごみ映像クリエーター
別名microM として音楽活動を行う。
左から 聞き手 山本心平  楠 大生 井原純平

甲府の街のグラフィティを追いながら
オジサンと少女のやり取りを通じて
映える遺影写真を撮り進める
失われてゆく街の軌跡と人の心はー
命にまつわる笑いと悲しみを活写

*来場者の声(アンケートから抜粋)

ノリコさんの作品は未知との出会い/引き込まれた/ビデオレターがあったからこそ自分の中にしっくり落とし込めた/井原作品のインパクトがすごい/ 新しい視点から映画を観ることができた/触れたことのない世界観で刺激を受けた。この感覚をこれから考えてみたい。こんな楽しみ方もありと思わせてくれる作品/アートを題材にしたショートムービーは予想外の三作品だった。それぞれ違う見せ方で不思議な世界に引き込まれた/それぞれ自由な表現補法だが各監督がはっきりした探求テーマを持っている点がおもしろくて刺激的/ジェンダー、フェミニズムに興味ありノリコさん作品は興味深く、その内面に共感できた/山中監督のトークは適切なことばを探して話している姿が素晴らしい/自由な表現すばらしい!また次の上映会に期待/自身の出産経験から心身ともに疲れ切っていた自分を思い出した。ことばでは伝えきれないがとても素晴らしい作品だった/

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10月/October

マリット・シリン・カロラスドッターの『IN BETWEEN』、『A memory, a feeling by Marit Shirin』と

富田克也 監督の『RAP IN TONDOの長い予告編』をカップリング上映します。

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Marit Shirin Calrlassdotter

マリット・シリン・カロラスドッター

Sweden

2019年AIRY 滞在作家

①『IN BETWEEN』2018/6min

②『A memory, a feeling by Marit Shirin』2021/5min

①Humanity-ish というスウェーデンのパフォーマンス会社と共同で作成されたもの。ダンスを題材に、女性の「自分の体に対する権利について」をテーマとしている。
②サーミ人ダンス映画祭Lavdaのために作成された短いダンス映画。
サーミ人とクルド人の血を引く自分自身のダンサーとしての遺産と、2つの文化的アイデンティティの分裂をテーマとしている。

マリット・シリン・カルロスドッター@AIRY 2018

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こんにちは

Marit Shirin Carolasdotterです。

私はフリーランスの振付師をしていて

スウェーデンの北部にあるウメオというまちに住んでいます。

2019年に山梨県甲府市にあるAIRYに滞在して

「人間と土」いうプロジェクトを始めました。

先住民が持つ体や土地への権利に関するアートプロジェクトです。

振付を通してダンスのリサーチをするためために山梨に滞在しました。

日本の先住民族であるアイヌ民族についてのリサーチも行いました。

それ以来このプロジェクトをフルタイムで続けています。

他の先住民族ともこのプロジェクトを進めました。

私が暮らす地域にはサーミと呼ばれる民族が暮らしています。

プロジェクトを通してサーミ人やクルドの

先住民族の伝統や遺産を自分自身の中に発見しています。

今回のやまなし短編映画祭を通して日本とのつながりを持ち続けることができ嬉しく思います。

また近い将来に日本を訪れたいと考えています。

甲府で過ごした時間は非常に特別なもので

韓国、アメリカ、日本から来たアーティストたちと出会うことができました。

それぞれの違う表現の形に触れてたいへん刺激を受けて

今もその影響を受けつづけています。

このような経験を得たことも日本に戻りたいと強く思う理由になっています。

日本に滞在した翌年からパンデミックが始まって私も大変な日々を過ごしました

旅をして新しく知り合いを作ったり、もちろん誰かとダンスをしたりすることが2年間できなかったらです。

しかし、自分自身でなるべく忙しくしようと努めました。

特にパソコンの前で作品をプロデュースする方法を学んだり

インターナショナル・パフォーミングアーツの修士号を取得したりしました。

より高度な学位を取得するにはとても良いタイミングだったので

結果的には良い時間になったと思っています。

ただ、今はもう外に出て、私たちが置かれている世界情勢やそれが将来どのように私たちに影響してしてくるのかについて語る時だと思います。

自由の侵害についてもまだ答えが出ていません。

コロナ禍に置ける様々な規制はまだ無くなった訳ではなく、私たちは新たな困難に面しています。

私自身は自分の作品や自分自身に対して誠実にいようと努めて

常に旅や移動を続けることに関して少し冷静になって考える必要があります。

現在振付師として忙しくすることはとても簡単なことなのですが

少し落ち着いた生活することを心がけています。

コロナ禍の時間があったけれど

私映画製作やダンスのドキュメンタリー製作などにはあまり活動的ではなく

主に修士論文の執筆に取り組んでいました。

今回この映画祭で皆さんとお見せしたのは以前製作した作品ですが

私がどんなものを制作しているのかを見てもらうことができると思いますし

この作品で扱っているテーマは今でもなお重要です。

作品の取り方は、皆さんそれぞれに委ねたいと思いますが

最初の作品「In between」では女性が持つ自分の体に対する権利について取り上げています。

2つ目の作品では、サーミとクルドという2つの先住民族のアイデンティティからどのような影響を受け、そのアイデンティティと向き合っている私の人生を感じてもらえると思います。

ダンスパフォーマンスをつくりだす上では人間との対話を続けることがモチベーションとなり私たちが歩いている地面や自然との関わり方について探っています。

未来に残していかなければならないこの地面と私たちは実際のところどのような関係にあるかについてです。

私の目標は作品を作り続けること

そこで私は勇敢にもなれるし、激しい感情を持つこともできます。

自分のストーリーを伝えるだけでなく

他のアーティストたちや、私の周りの人たちのストーリーも伝えていきたいです。

彼らが今何を経験しているのかどのように互いに関わり合うことができるのか

自分や周り、それぞれが持っている地面との関わり方について

理解や共感を生み出す方法を探っていきたいと思っています。

将来的にもより深くこのテーマを扱いっていきたいと考えていますし

自分自身もさらに自然との繋がりを求めています。

「この世界とは何か?」

「自分にとってアートとは何か?」

「どう作品を制作するのか?」

「自分の制作のプロセスは?」

そういった問いをとにかく探り続けて学びながら答えを見つけていきます。

もちろん日本を再訪することも私の目標の一つで

特に北海道に戻り、先住民についての制作を進めたいです。

つながりを得るために積極的に行動を起こすようにしているというのもあります

今日は時間をとっていただいてありがとうございました。

作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。

もしも何か質問があれば、ぜひ連絡してください!

humanandsoil.com というウェブサイトを見ていただくと

このプロジェクトについてもっと知っていただけると思います。

ありがとうございました また会いましよう (翻訳 井野美奈)

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『RAP IN TONDOの長い予告編』2011 / 60min

フィリピンのトンド地区に招かれた、HIPHOPグループstillichimiyaのトラックメイカーおみゆきチャンネルこと、Big BenとYoung-G。
ギャング社会と密接に結びついたフィリピンのHIPHOPシーン、低所得者層の住む地域で治安の悪さの中ラップやダンスを学ぶ少年少女たち。
音楽を通じた文化交流の単なる記録ではなく、この映画の存在こそが国境を越えた人間関係をつくり出していく軌跡となる。

『RAP IN TONDOの長い予告編』

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アフタートーク前半
アフタートーク後半

*観客アンケートより抜粋

富田作品についてタイトルしか知らなかったのでこれから『サウダージ』『バンコクナイツ』を観るのが楽しみ/hiphopに込められたリリックや音楽の持つ可能性について知ることができた/音楽ドキュメンタリーをもっと観たい/人のパワーを感じる映画をへちまスタジオで観るのがいつも楽しみ/黒澤明作品を観たい/hiphop文化や現地の雰囲気が伝わり感動した/現地に入って人々と打ち解けて仲良くなるスキルが欲しい/数年後にはノーベル平和賞受賞を期待/チェコのアニメを観たい/五感に訴えてくる作品だった/監督の生アフタートークを聞けてより理解が進んだ/私たちの世界とかけ離れた世界があることを改めて知る/山梨でロケしている作品をもっと観たい/二人の監督作品を観て改めて音楽の力強さを感じた/富田監督トークは聞きやすく引き込まれると共に人柄の良さを感じる/すばらしい映像体験だった/

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9月/ September

丹澤由棋 監督の 「映像と詩の関係性を探る短編映像集」 と

手塚 悟 監督の「サクラいつ咲く・・・」をカップリング上映します。



「映像と詩の関係性を探る短編映像集」
UNTITTLED はる -朗読- のべのかぜ(2022 / 20min)

丹澤 由棋
詩人ウチダゴウさんの詩を題材にした3種類の作品を一本にまとめました。それぞれ違った役割で詩が扱われ、詩と映像の関係性を実験的に模索する作品集です。

今回二年目のエントリーの丹澤監督

実際に観るまでは、誌と映像の関係性って何だろうとはてなでした。共通するのはウチダ氏の詩がベースにあること。それぞれ三篇は表現方法は全く異なりますが、詩人のつぶやく人間と生活、そして監督のイメージする信州の大自然が底辺にあるので統一感があり、最終的に心地よく詩人の世界に誘われます。そして今回の三作品オムニバス形式として上映は、本映画祭のための特別編集とのこと。実験的な編集バージョンでの新作上映はまさに一期一会でした!

幻想的な一本目「UNTITTLED」でパンチの効いた導入、早春の安曇野でウチダ氏がとうとうと朗読する二本目「はる-朗読」、現地松本の空気感と地元シンガーの声に惹かれる「のべのかぜ」

それぞれ三つの違う手法で詩を浮き上がらせることにより、詩人と映像作家の世界観が交錯して互いを際立たせていると感じました。

UNTITTLED

はる -朗読-

のべのかぜ

名インタビュアー山本と丹澤監督
この日は八ヶ岳ハイライフ(小淵沢)フェス会場撮影から駆けつけて
有名企業のイメージ映像から
野外音楽フェスや国際芸術祭まで手掛ける丹澤監督
映像作品を使ったインスタレーション、インターラクティブ表現にも興味大です

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「サクラいつ咲く…」(2000 / 31min)

手塚 悟
2000年、手塚監督が山梨を出る前の18歳の時に製作した作品。
本作はHi-8といういわゆる8ミリビデオというフォーマットで撮影、当時ではまだ珍しかったパソコンでの編集。
基本的にフィクションではあるが、図らずも当時の監督自身をかなり投影した原点の作品であり、後に続く手塚作品「Every Day」につながるもの。
今回、へちまでははじめての上映 です。

手塚監督も今年二年目のエントリー

今年の本映画祭フライヤーでは

’9月 手塚悟 監督 上映作品未定’ とあり

気をもんだ皆さまもいらっしゃるのでは・・という危惧をよそに9月も早々に上映作品 「サクラいつ咲く…」(2000 )上映を表明してくれました。安心するとともに高校時代最後の作品を今観ることの意味についても聞いてみたいと思いました。

将来、映画に携わる仕事をしたいと強く思い描く地方の高校生が悩みながら短編作品を撮ります。出演してくれた俳優に渡そうとしますが彼女の行く末は・・観る者には手塚監督自身の高校時代を彷彿とさせますがそこはフィクションだそう。

撮影当時2000年(平成12年)前後の生活スタイルやインターネット事情が思い起こされて、この20年の生活変化と環境発展に驚きます。

小学生時代にジャッキー・チェンに憧れて自分でも 同年代の友達 と撮影を始め、その後大人の参加者も募って本格的に撮りだしたという監督。この作品を仕上げて大学のAO入試に期限までに提出するーというミッションもあり完成をみたとか。その経緯を聞いて瑞々しい高校生の熱意とエネルギーを感じました。結局、本作品が認められて大学合格があり、本格的に映像手法を学ぶスタートラインに立つことになったという記念碑的作品です。

20年過ぎた今また本作品を観なおすことで当時のビギナーズの意欲を再確認、これからの映画制作を改めて考えるー監督にはそんな意図があったんです。がむしゃらな気持ちや制作への衝動はどんな分野でもものつくりする人には不可欠、どうやってそれを一生持ち続けるか?クリエーターの一生の課題でしょう。自分の思い入れの多い本作で今年の映画祭にエントリーしてくれた監督のお気持を知り、アクティブかつストイックに制作を続ける監督の一面を見た気がしました。

監督本人と父上光男氏がアフタートークに登壇
光男氏は監督の父でプロデューサーで一番の理解者
ファミコンとジャッキー・チェンに夢中な小学校時代
小学校担任に刺激を受けて自らも撮影を始める話など
一番近くで見ていた人のことばは
愛と説得力があります。
お揃いでご登壇ありがとうございました!
光男氏 近影 
代表作「EveryDay」で渋いバイプレイヤーとして登場も忘れられない一コマです

*観客アンケートより抜粋

短編映画を観る機会がないので短時間で何を表現するのか興味深く観た/手塚作品は淡い恋の感情を思い出させる/丹澤作品は読み解きがむずかしかった/監督自身のこれまでの人生ヒストリーをドラマ化する作品を観たい/撮りためた映像を使ってこんなにすばらしい作品にまとめることができると伺い驚いた。映画の力ってスゴイし監督は天才です/手塚監督父上の話も聞けてよかった/手塚作品をもっと観たい/丹澤作品は風景など明暗のコントラストがすばらしい。何度か観るともっと深く理解できるかなと思う/手塚作品は高校生時に撮った素材とのことで大人には見えない純粋性があった。製作の苦労話は貴重だった/山梨の風景などゆかりのある作品を観たい/手塚監督の新作品が楽しみ/アフタートークで制作秘話を聞いて驚きの連続でした。昔の携帯電話事情を思いだした(世代的に)/監督父上が登場する企画自体が楽しい/いつも興味深い作品を取り上げてくれてありがとうございます/

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7月/ July

夏休み特別版 
映像作家/モーションデザイナーとして活躍する 
窪田慎さんを招き、WSとトークショウ 
二部構成の1日です。

ものを作るのが好き!というお子さまから映像の世界に興味がある!という学生も大人も楽しめる内容です。
ぜひご参加ください。
(※午前WS、午後、トークショウで内容が異なりますのでご注意ください。)

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7月30日(土)
△第一部・10:00-11:30 
WS 動くキャラクターを作ろう
Makoto Kubota

自分で並べて作ったキャラクターが画面の中で動き出す
オリジナルの動画を作るWSです。

持ち物/のり、はさみ(子ども用など使いやすいはさみが必要な方のみ) 
※はさみはこちらで用意しておりますが、子ども用はございませんため、必要な方はお持ち下さい。
◯3歳以上~(未就学児は保護者同伴)
〇小学生以上は子どものみの参加OK
〇参加人数が複数の場合は備考欄へ詳細をご記入ください。
(例 親1名、子2名(10歳、4歳)。※子どもの年齢もご記入ください)

△第二部・ 13:30 -15:00
Makoto Kubota の仕事のはなし
関ジャニ∞、CIRRRCLE、神山羊のMVだったり、シナぷしゅやEテレ、YBSやUTYまで数多くの映像を手掛ける窪田慎の実際の作品を上映しながら、その仕事裏のお話をきく時間です。

私たちの生活に身近な映像の世界
しかし、そもそも映像作家って?
モーションデザイナーってなに??どんなふうに映像ができているんだろう?
素朴な疑問から楽しく映像にまつわるお話を聞きたいと思います。

ナビゲーター 歩帆舎 五味文子

今回の企画・運営・インタビューを取り仕切る五味文子(歩帆舎)with a baby
まずは本日の講師 窪田 慎氏の紹介から
タイトルは「動くキャラクターを作ろう!」

予め切り抜かれたカラーパーツを
キャラクターを想像しながら黒い紙上でアレンジする子どもたち
このあと各自で糊付けへ
そのあと子どもたちのキャラクターを一つずつ丁寧に入力する窪田
デスクトップを会場へ持ち込んでの大仕事
ここはプロの技術~まるでマジック!!

先生の作業を間近で見つめる子どもたち
憧れの先輩を見つめる眼差し~
講師本人が映画祭に来てくれることで生まれた
貴重な時間でした。
これはすばらしい夏休みの思い出になったね!

間もなく子どもたち全員の動くキャラクターが勢ぞろいした瞬間
わ~い壮観ですね!!!
元絵のキャラクターを持って先生と記念撮影の一枚
先生も子供たちもうれしそう

続いて午後からはトーク「窪田 慎の仕事の話」主に大人向け を開催

小・中・高の甲府時代と浪人を経てムサビ時代の話

在学中から心がけた興味あることへの学びと実践

社会人になってからの仕事への集中は時に夜を徹して朝までも

様々な企業からの仕事依頼にひとつづつ丁寧に応じる窪田の姿

それも自分と周囲が楽しみながらの対応をする姿

まさに自分の特技を生かしてさらに楽しみながらの仕事スタイル

だから周りをハッピーにできるんですね!と納得いたしました。

(左から)窪田の甲府同世代/美術系受験メンバーお二人も 会場に駆けつけて
五味文子、窪田 慎

惜しみなくプロの技を公開してくれた窪田氏ありがとうございました!!

コロナと猛暑で開催が危ぶまれる中、監督との連絡調整、参加者募集、キャラクターパーツの準備などに奔走してくれたナビゲータ五味文子、映画祭実行委ハザマユミエ、ヘチマ管理人山本心平に心より感謝を申し上げます。

当映画祭は8月は夏休みをいただき、次回は9月10日(土)手塚 悟監督・丹澤由棋監督両氏の作品を上映いたします。こちらもまたよろしくお願いいたします。

*観客アンケートより抜粋

本職の方の話を聞いて仕事の流れや作品つくりについて知ることができた/ストーリー性ある劇映画以外にも今回のようなアニメーション寄りの映像なども観たい/自分は普段は実写の作品を撮っているが最近はグラフィックデザインにも興味ある。パソコン一つでつくれる3DCGの世界はとても夢があり素敵だなと思う。/「絵に魂を吹き込む人」という言葉が降りてきた。あっという間に時間が過ぎた/とてもおもしろかった/感動しました/

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6月/ June

青柳拓監督の「ひいくんのあるく町」、「井戸ヲ、ホル」と、小野田藍監督の「陶製手榴弾でキャッチボール」をカップリング上映いたします。

両監督からビデオメッセージ+サプライズゲストあり

日時:6月25日(土)❶11:00~ ❷15:00~ 二回上映

申し込み:予約制 各回定員13名

料金:1000円/お一人


🎦「陶製手榴弾でキャッチボール」(2020 / 2min)小野田 藍
知人が持っていた陶製手榴弾の殻を見た時、伝説の投手・沢村栄治が肩の強さを買われて戦地で手榴弾を投げ続け、後に戦死した逸話を思い出しました。その後すぐに陶製手榴弾をネットオークションで入手し、それをボール代わりにして友人とキャッチボールをしてみました。スポーツのうちにある「戦争的なもの」が、スポーツからはみ出てむき出しの「戦争」になることは大いにあり得るし、僕がそのきっかけとなってしまうこともまた大いにあり得ることだと思っています。


「陶製手榴弾でキャッチボール」

入甲ままならずビデオレターを寄せてくれた小野田監督
本編 「陶製手榴弾でキャッチボール」より長い 4分24秒
お楽しみください!

 壊れやすい陶製の手榴弾って?惹かれるタイトルの短編でした。なぜ陶製なのかからそれを投げ合うのはなぜかという疑問。幅広い分野で活動する現代美術作家小野田ならではの、鋭い視線とユーモアがそこにはありました。考えさせられる映像作品と言えます。濃い緑を背景にキャッチボールする二人の姿が脳裏に残ります。

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🎦「ひいくんのあるく町」(2017 / 47min)
🎦「井戸ヲ、ホル」(2020 / 36min)青柳 拓

大学の卒業制作ながら評判が広がり劇場公開された『ひいくんのあるく町』と、ほとんど上映のない幻の短編『井戸ヲ、ホル』。それぞれの舞台は共に監督の故郷である山梨県市川三郷町。上映機会少ない作品ですのでどうぞお見逃しなく!


「ひいくんのあるく町」

「井戸ヲ、ホル」

 次期新作撮影のため青柳監督のアフタートーク登場がキャンセルになりましたが、ピンチヒッターとして「井戸ヲ、ホル」にも登場しているサイトウ氏がギター片手に駆けつけてくれました。

 急遽新作撮影に突入したために監督不在のアフタートーク。監督直筆のメッセージが鑑賞者全員に配られました。残念でしたがサイトウ氏はそれを補って余りある内容のトークとミニライブを披露してくださいました。ありがとうございました!青柳監督の次期新作にも期待大です。

上映会場へちま受付
会場ではパンフレット販売も好評でした!
先日亡くなった*佐藤忠男氏に
「世界に”日本というのはこういうところだよ”と紹介するときに見せたい映画」
と言わしめた作品。
*青柳監督が在学した当時の日本映画大学学長

「東京自転車節」も近いうちに上映したい
右上は青柳直筆メッセージ
サイトウ氏(右)とへちま管理人山本(左)とのアフタートークでは以前のエピソードも披露されて
数年前のへちまでの富田克也監督上映会に参加した
(左から)青柳、ひいくん、高野、富田
この後のサイトウ氏によるミニライブ曲が「Stand by Me」
毎回鑑賞者に書いてもらうアンケート
ひいくんの笑顔は人の心をつかむ

*観客アンケートから抜粋

青柳作品はどちらも面白く何とも言えない気分になった/映画を観た後でカフェで感想を話し合うのが好きなので今日も誰かと話したい気分/撮影中の選挙ムービーが楽しみ/ひいくんとご一家、市川大門の皆さんのご多幸を祈ります/ひいくんの映画は話題になっていたので観られてよかった(うまくことばにできないが)/『井戸ー』ではひたすら自分の肉体を使っている。ゲストトークのサイトウさんが行動の基本は「楽しいかどうか」と言っていたことに驚く/コロナ禍にこれを観られてよかった/地域の人々の近さや温かさ、地域力を改めて感じた/共生社会のモデルと言える。ひいくんが自然と地域の人々を巻き込んでいる/青柳監督とサイトウさんのコンビがおもしろい。冷静・現実的・がむしゃら・夢を感じる/ドキュメンタリー映画は退屈というイメージが変わり三篇それぞれおもしろかった/「井戸をー」では全く意味のないことをする姿がシュールで楽しめた。これからの活動も応援します/「東京自転車節」も観たい/街をぶらぶらする時間も井戸を掘りまくる時間もそれぞれの価値観がある。自分が日々過ごす時間も同じ時間だと感じた。掘られる土の目線になれたのも楽しかった/小野田作品の最後で爆発することを期待した/ひいくんを見守ってきた街の人々は病気や老いについて互いに関りを持つ。周囲を巻き込むことでプラスのパワーになっておりこれからの地方の在り方を考えさせられる/「井戸ー」の続編を観たい/「井戸ー」の中で危うさのようなもの(脚立の間違った使い方などすごくリアルな温度感を醸し出すところが好き。レアな上映作品なので観られてよかったし青柳監督の温かい人柄を感じてトークショーも楽しめた。アフタートークでは富田監督とのつながりもわかった。これからも映画祭情報をチェックします。/ひいくんには変わらず市川大門の街並みでずっと微笑んでいて欲しい。ひいくんは今を生きている。「井戸ー」では水が出なくて残念あんなに一生懸命掘ったのに。地底人を見たかった/市川大門の街へ遊びに行きたい/人間味のある作品をどんどん上映して欲しい/天使のようなひいくんと現実的な感じのお母さんお姉さんが対照的でおもしろい。犬小屋に頭を突っ込んで寝るところがいい。水口屋のお店のフォントがかわいい。ひいくんの筆文字がスゴク良い(映画タイトルに使われている)/ひいくんのガラケーが懐かしい。昔は市川大門が栄えていた。幼少時の監督とひいくんが似ている

大方岳 個展「Cathedral/聖堂」

大方岳 個展

Cathedoral/聖堂

2022年5月28日(土)~6月5日(日)

5月30日(月)休み
午前11時~午後6時
ギャラリーAIRY 甲府市丸の内2-37-2

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2022 May 28th(Sat) – June 5th(Sun)

closed 30th (Mon)

Opening hour 11am-6pm

Gallery AIRY 2-37-2 Marunouchi Kofu Yamanashi 

コンセプト English below

 祈りについて語るとき、それは常に宗教的なものとして語られます。しかし、祈りという行為は宗教でなくてもすべての人間にとって普遍的な営みであるように思います。祈りの定義は人によりそれぞれですが、思いを不確かなものに託すことをそう呼ぶのであればそれはほとんどの人が経験するはずです。どうしようもないような状況や自分の支配の及ばないこと、そういう困難に人生は満ちています。そういうときに、人は賭けなければなりません、無数に分岐する未来がひとつの最善と呼べる道に収束することを。この可能性、確率への賭けを祈りと呼ぶこともできます。また、混乱や不安が渦巻く心の中で少しでも安息を得られる拠り所を探すこと、それも祈りではないでしょうか。

 聖堂とは祈る場所、そして世間から切り離された避難場所です。私はパニックなどの経験から常にそのような場所を、瞬間を求めてきました。それはときに内側に、ときに外側に、またあるときは味覚や音の中にありました。そんなわけで、今回の展示は宗教とは関係のない私の個人的な聖堂の拡張であるといえます。

When we talk about praying. It is always associated with religion. However, I don’t think only religious people prays. The definition of the term “praying” depends on individuals but if it is about hoping something that we cannot control and betting on the possibility that best consequence will come in the future, we do it almost every day. In that sense, god is possibility itself. The possibility that enable to change the future, overcome the pain, or whatever people want.

Since I got diagnosed as panic disorder, I have been feeling so powerless, and isolated. I cannot control when panic happens or how my thought will jump to some crazy place.  I tried taking note, breathing method, taking pill. Just to bet on the probability that it will end the nausea, palpitation, pain, and chaos in my head. By doing those things, I was looking for a place or moment I can rest, relax or have peace of mind. For me, cathedral is haven that people can come and put down everything they have from chaotic world and pray. It can be inside, outside, in taste, smell, sound, or even in concept.

So this exhibition is about my personal record of praying and search for cathedral through my life.


大方 岳/ Okata Gaku  画家

https://gakuokata.wixsite.com/gakuokata

instagram: Gaku Okata(@gakuokata)


1997年大阪生まれ 北杜市育ち甲府在住 2018年から一年間西豪州で美術を学ぶ
2020年2月 第一回個展「EXHALE」
      同年 山梨学院大学国際リベラルアーツ学部(iCLA) 卒業
2021年 5月  第二回個展「LONELy-LOVELy」

2022年   第三回個展 「聖堂/Cathedoral」
作品のテーマは自認されない感情、性、孤独、不安、パニック障害

ToBe Koffee set on [Cathedoral]
「似顔絵と言うにはあまりにも絵画的な肖像画描きます」
ご参加下さった皆様ありがとうございました!!



 

いきものだものinスタジオ


いきものだもの

https://ikimonodamono.tumblr.com/

山梨県甲府市在住 スタジオアーティスト
2022年3月28,29日

やさしい・ゆるい・わかりやすいをモットーに
生き物を描くイラストレーター

↓ユニークなイラストを元にしたグッズ多数展開中↓

http://twitter@com/ikimonopd

【リアルサイズのどうぶつ画シリーズ】

いよいよ全貌を現したアニマルは?

いきものだもの さんとエアリーは昨年からのご縁、
風にたなびく巨大ヒグマをご記憶の方もいらっしゃるかと思います。

今年は4/15(金)UTY 「スゴろく」生出演と作品紹介を控えての制作

いきもの全般を愛する甲府と静岡をベースに活動中の人気アーティス

お茶目なアーティストネームにも注目
いきもの『だもの』が伝えようとしていることは何かな〜と考えます。たかが語尾、されど語尾です。

今年のリアルサイズアニマルはヘラジカ🦌(ムース)
北米、アラスカ、北欧などで見られて背丈が2m以上にもなるそうです。

***いきものだもの TV出演情報***

4月15日(金)UTY夕方情報番組「スゴろく」

本作品紹介&ライブドローイングを披露

渋川アートリラ2022 in 伊香保

https://www.shibukawa-artrela.com/2022

開催期間:2022年 1月

会場:群馬県渋川市伊香保

参加作家:大方 岳、坂本 泉

4月3日 報告会@AIRY

         *予約制:メールまたはSNSダイレクトメールにて受け付け
            定員に達し次第締め切りとさせていただきます。


アートリラ2022 に参加して

これまでアーティストを受け入れてきた私たちが

逆の立場になってアーティストとして受け入れられる経験をしてきました

山梨から群馬へ 山から山へ

温泉の神さま伊香保でエアー

武田勝頼が傷ついた兵士を癒すために拓いた温泉という伝説

国内各地から7名の滞在アーティストたち

それをを支える渋川の若者たち

アートと地元の熱き人々との出会いのお話し会です。

会場:AIRY二階スタジオ
日程:4月3日(日)13:00開場  司会 金井優子   

13:30ー14:00 第一部 アーテイスト トーク 坂本泉、大方岳   

14:00ー14:30 休憩 〈Tobe Koffee〉from 伊香保           

14:30ー15:00 第二部 ゲスト トーク    

森下千恵(中之条ビエンナーレ事務局|地域おこし協力隊)   

長沼みき(渋川市観光振興|地域おこし協力隊)都留市出身           

佐藤万妃花(アートリラ事務局)オンライン参加予定


事前予約制:参加費:Tobe Koffee 1ドリンクオーダー
駐車場:近隣の駐車場をご使用ください


当日は受付での感染防止対策に、ご協力のほどお願い申し上げます。


渋川アートリラ参加のきっかけになった
2021年末「結フェス」甲府市愛宕町 結 主催による
寺子屋プロジェクト
<プラコレ@農道ランウェイ>坂本 泉 & 結スーパーモデルズ



7名のアーティストが国内から招聘され
一旅館に一人が滞在して公開制作と展示を行うシステムでした
こちらは伊香保秀水園「ラウンジ浮雲」
まさに空中に浮かぶ絶景スタジオギャラリー
https://www.syusuien.com/

山梨から参加の大方岳と坂本泉


榛名富士と榛名湖 インスピレーションを刺激する神々しい自然

夜明けの伊香保温泉街から望む谷川岳方面


伊香保大階段から望む小野子山方面


地元の方にインタビューした「あなたの押し群馬風景を教えて」


「光の射す方へ」
谷川岳 妙義山 小野子山 榛名富士 (4点シリーズ 左から)
素材:紙、毛糸

 伊香保を囲む山々の雄大な冬景色、温泉から噴き出る蒸気。そこを行き交う人々の生活を思う。山からの冷たい風を感じ、雪を被る山並みの絶景に心が満たされる冬の喜び。そして先祖から代々語り継がれる自然に対する畏敬の念。古来、自然は芸術や文化の一部分であり、人間は自然の中で生かされてきた。この地で人と自然はどのように呼応し合ってきたのかを伊香保で過ごす間に観察したい。

 坂本の作品は、日々の生活者としての存在がいかに神秘的であるか見せてくれる。そこから得た気付きをスケッチ、オブジェ、インスタレーション、パフォーマンスなどで表現する。普段のごく当たり前の生活やそれを取り巻く出来事の本質、素晴らしさ、そして幸福感を凝縮して視覚化してきた。今回は<紙と糸と針>を用いて、伊香保での生活から感じ取る<人と自然の呼応>に光をあてる。それは今年こそ長いトンネルを抜けて、光の射す方へ歩みを進めたいという新しい年の希望である。

プラコレ@いかほ石段街 photo: 丹澤由棋

圧倒的存在感を誇る温泉街旅館群を背景に明け方の月と共に


クロージングイベント
プラコレ@いかほ温泉街ランウェイ
渋川ミュージカルメンバー3名のいかほスーパーモデルズと共に


訪問した榛名湖のイメージをさっそく表現する大方
@ホテル松本楼 会議室

大方岳 「Scenes」@ホテル松本楼
伊香保の人々の歴史と人々をテーマにした壁画を制作した
左手前の布や絵の具を使い来場者も参加できるかたち


大方岳によるプレゼン最後は「アートの価値」(引用:南條史生)について

今回の伊香保滞在や中之条ビエンナーレ、シロオニスタジオ訪問での学びを披露


ゲストスピーカー:長沼みき( 観光発信 渋川市地域おこし協力隊)
森下千恵(中之条ビエンナーレ事務局 中之条市同協力隊)
コーヒー:Tobe Koffee (伊香保温泉 秀水園)
司会:金井優子

Inside-Out Needles

Izumi Sakamoto solo show @八ガ岳イグレク

2021.08.07-23 sat,sun,mon オープン

ギャラリーイグレク正面
木陰のサインボード
春(ミレー)
糸杉 (ゴッホ)
アルプス雪解け
ブルー八ヶ岳
シルエット(モノクローム)
馬鈴薯を食べる人々(ゴッホ) 黄色い椅子(ゴッホ) 編み物をする娘(セガンティーニ) 

DECONSTRUCTION 壊す∞創る

Nagasawa Tetsuo x Takahashi Tatsuo

長沢哲夫 ✕ 髙橋辰雄 てっちゃんxたっちゃん二人展

DECONSTRUCTION 壊す∞創る

●2021年9月4日(土)~11日(土)11:30-17:00

休みなし

●Artist In Residence Yamanashi [AIRY] 2F Gallery

〒400-0031 山梨県甲府市丸の内 2-37-2

●問い合わせ 080-3252-4620(長沢)090-3142-0565 (髙橋)

作家紹介:

髙橋辰雄 Takahashi Tatsuo

1952年 甲府市生まれ 甲府一高時代は大学紛争さなかの混乱の渦中だった。山梨大学工学部でコンピューター科学と数学を学び卒業後、Bゼミschoolや新日本文学会に学んだ。美術のプラクシス展を主宰、美術家/文筆家として活躍している。今回は既存のポスターなどを別物にリメイクした作品を展示する。

TAKAHASHI Tatsuo

長沢哲夫 Nagasawa Tetsuo

1980年 南アルプス市生まれ 峡南高校時代にDJ、 アーティスト活動を始める。やがて即興的なグラフィティで多くの作品を制作、破壊と再生を繰り返すユニークな作品を残している。今回は木製パネルにペン描きしたものを細かくカット、さらに塗り重ねて無限に繰り返す作品を展示する。

NAGASAWA Tetsuo

*ご来場の際は二人の作家電話連絡先どちらか(上記)へご来場の日時と人数をお申し込みください。ご入場の際は感染症予防のためマスク着用と手指の消毒をお願いいたします

山梨日日新聞で紹介されました



惑星/Planet

詩月旅人 × 大方 岳 二人展 「惑星 」絵と言葉のコラボレーションまたは格闘

会場 AIRY 山梨県 甲府市 丸の内 2 丁目 37 2
期間 2021 年 9 月 19 日(日)- 26 日(日)
開廊時間 11 時 -18 時 入場無料
連絡先 gakuokata @gmail.com

“Planet”
Gaku Okata x Tabihito Shiduki
Venue AIRY 2-37-2 Marunouchi, Kofu city
Duration 2021, Sep 19 th- 26 th
Time 11am- 6pm Free Entrance
Contact gakuokata@gmail.com

作家プロフィール

詩月 旅人/Shiduki Tabihito  詩人、小説家
1997年長野県伊那市生まれ 幼少期をタイで過ごす 帰国後は山梨県で育つ 信州大学で日本文学を学び、卒業後は沖縄県宮古島にて農業、測量会社の不発弾探査を経て帰郷 今回の二人展では宮古島での記憶が大きく反映された詩などを展示する。

大方 岳/ Okata Gaku 画家
1997年大阪生まれ 北杜市育ち 2018年から一年間西豪州で美術を学ぶ
2020年2月初個展EXHALEを開催 同年iCLA卒業
2021年 5月 第二回個展LONELy-LOVELy 開催
作品のテーマは自認されない感情、性、孤独、不安、パニック障害

《日常の中にある揺らぎ》

今回の展示は絵と言葉という二つの表現の組み合わせを試みた軌跡です。二人展をするにあたって展示の方向性を決める話し合いをしました。パーソナルな話をしながら、「日常の中にある揺らぎ」というものを互いに意識していることが見えてきました。それを包括する言葉を探している時に二人がしっくりきたのが「惑星」でした。絵と言葉という互いのスタンスから、詩月の言葉からインスピレーションを得て大方が絵を描き、大方の絵からインスピレーションを得て詩月が文を綴ります。

詩月旅人ステートメント

 誰も知らないところで物語は絶えず生まれては紡がれています。夜、高台から眺める夜景を想像してみてください。暗闇のなかに色々な灯が星のように輝いています。私にはその光の一つひとつが、物語をもつ惑星に思えて仕方ないのです。もう一つ、「惑星」には《さすらう星》という意味があります。この天体は星座の間を漂うように動く様子から惑う星と言われるようになりました。そこには好奇心の赴くままに人の間を漂白する私の情況とも重なるものがありました。私というひとりの人間もまた惑星なのです。

大方岳ステートメント

タイトルを惑星にしようと初めて聞いたときにとてもしっくりきました。惑う星と書かれるこの単語の含蓄するものが私の世界の中での人間というものを表しているように思えたのです。近づいたり離れたりを繰り返し、恒星の周りの軌道をそれぞれの周期で回る。そして宇宙の中で孤独。今回の展示では物語や詩などの文章表現と絵画表現を合わせることを試しています。私はこれまで不安や自認されない感情などの内的なものを表現しようとしてきました。それはとてもあいまいでまとまりがなく、衝動的でした。そういうものをなるべく正直に生々しく表現するというのが目的でもありました。しかし今回は叙述的な表現や詩情を作品に付与しようと試みています。

2人展オープンしました。


先に詩月の詩がありそれに大方が絵を描いたもの
逆に大方の絵に詩月が文を添えたもの共に紹介しています。
個々の世界を開いて互いの発想を交信する個人的であり創造的な作業です。

大方 岳                  詩月旅人
二人は中学校の同級生
その後の進路は異なるもののいつか二人で協働制作をしたいと考えていたようです 。
詩月は長野から沖縄へ移動、宮古島で農業と不発弾探査などを経験してこの夏故郷山梨へ戻った時期にその機会が訪れました。

2人の友人たちが各地から訪れてじっくり鑑賞してくれました。


【惑星の欠片】
詩月旅人 著
大方 岳 表紙絵
B6版 全171頁 限定50部発行
1500円
8月をエアリーで創作滞在し甲府で生活しながら執筆の日々
そして上梓した初出版物がこの「惑星の欠片」です。
これまで書き溜めた作品に加えて《甲府讃歌》の章があるのも嬉しいです。
六曜館、喜久の湯、結、能成寺など
そしてここエアリーは《バルコニイのある画廊》と紹介されています。

ギターとスタンダードジャズのひととき
息もぴったりな二人♪オハコは
On the Sunny Side of the Street

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寄稿文:杉山智明

「1枚の絵から、どんな「詩」が浮かんでくるか? 1篇の詩から、どんな『絵』が浮かんでくるか?」

甲府のギャラリー「AIRY」で開催中の、詩月旅人さんと大方岳さんの「二人展」を観てきました。詩を書く詩月さんと、絵を描く大方さん。お二人は中学の同級生とのこと。そして、お互いの進路や生活環境が変わって年月が経ち、今回改めて共作の展示が実現したそうです。大方さんの描いた絵に詩月さんが詩を添え、その詩を元に大方さんがまた新たな絵を描いていく。一方、詩月さんが記した詩からインスパイアされる形で大方さんが絵を描き、その絵を元に詩月さんがまた新たな詩を記していく…。お互いの発想を交信し合う連作の表現は、お二人だからこそ成し得たものであり、まさしく「二人展」でした。僕も今回、大方さんの描いた絵を観ながら「自分ならどんな詩が浮かんでくるか」、そして詩月さんが記した詩を読みながら「自分ならどんな絵が浮かんでくるか」…、そんな想像性を膨らませながら鑑賞を楽しむことが出来ました。今、SNSのタイムラインなどでは目の前の情報がかなり速く流れていき、1つ1つの中身をじっくり精査することがなかなか難しくなっている気がします。きっと大事なことや面白いものを、見逃したり誤解したりしている部分も少なくないはずです。詩月さんと大方さんの「二人展」は、目に映る1つ1つのものを出来るだけ深く覗き込み、そこから何か1つでも自分の感じたことを浮かび上がらせ、表現しようとする…、そんな営みの面白さ、大切さを思い出させてくれる展示だと感じました。

山梨アートプロジェクト

https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/news/2021/05/detail_279.html

山梨ゆかりの作家のみならず、山梨で制作してみたい作家のみなさんの応募をお待ちしております。特にゆかりがないという場合は当エアリーに滞在することで応募が可能です、制作費と滞在費が支給されますのでこのチャンスを逃がさずに!

選考結果発表

↓↓↓↓↓↓↓↓

https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/exhibition/2021/291.html

当プロジェクトで滞在アーティストに宇田奈緒が採択されました。

10月11日から約二か月間エアリーで滞在制作

11月23日(火・祝)~12月12日(日)甲府市藤村記念館で発表をいたします。

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宇田奈緒/UDA Nao

http://www.naouda.com

1983年神奈川県生まれ

スクールオブビジュアルアーツ大学写真学科(NY)卒業

国立台南芸術大学大学院造形芸術研究科修士課程修了

写真・陶芸・文章などを用いて移民や家族の歴史についての物語を保存、継承するための作品制作をしている。平成26年度ポーラ文化振興財団在外研修員としカナダにて研修。甲府市藤村記念館では、旧・市川大門町出身の祖父の足跡をリサーチと撮影を通して辿り、映像で表現する「不在の中の在 – Presence in the Absence」を発表する。

■ワークショップ(1)(2)

(1)「不在の中の在」を探してみよう 物語編

https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/exhibition/2021/583.html

日時:10月30日(土)午後2:00-4:00 20分入替・全6回

2:00-, 2:20-, 2:40-, 3:00-, 3:20-, 3:40-

会場:アーティスト・イン・レジデンス山梨 [AIRY]  2Fスタジオ

予約制:10月1日(金)~定員になり次第締め切り

    定員12名(各回2名まで)

申し込み:電話 055-228-3322 県立美術館

    ①参加者全員氏名 ②電話番号 ③居住地 ④参加希望時間


(2)「不在の中の在」を探してみよう 写真編

https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/exhibition/2021/584.html

日時:12月5日(日)午前11:00- / 午後2:00-

会場:午前 甲府市藤村記念館1階展示室

   午後  甲府市藤村記念館2階旧教室

予約制:11月6日(土)~ 定員になり次第締め切り

    定員午前5名、午後8名(共に小学校高学年以上)

申し込み: 電話 055-228-3322 県立美術館

     ①参加者全員氏名 ②電話番号 ③居住地 ④参加希望時間

■公開制作(オープンスタジオ)

作家が制作している様子を見学してみませんか。

https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/exhibition/2021/585.html

日時:11月6日(土)午後2:00-5:00

会場: アーティスト・イン・レジデンス山梨 [AIRY]  2Fスタジオ

申し込み:055-228-3322 県立美術館

■最終展示 

祖父の不在の記憶をアートで紡ぐビデオ作品をご鑑賞ください。

日時:11月23日(火)~12月12日(日) 9:00-17:00

休み:月曜日(祝日の場合は翌日)

会場:藤村(ふじむら)記念館 甲府市北口2-2-1(甲府駅北口広場)https://www.city.kofu.yamanashi.jp/bunkashinko/shisetsu/bunka/fujimura.html

■座談会

山梨アートプロジェクト ファイナリスト3名作家が一堂に集い語ります。

日時:11月27日(土)14:00-

会場:山梨県立美術館  予約制 お申し込み:TEL 055-228-3322

登壇者: 出品作家/深澤孝史氏・藤原隆洋氏・宇田奈緒氏

審査員/開発好明氏(アーティスト)・平野千枝子氏(山梨大学大学院准教授)

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宇田奈緒 「 不在の中の在 – Presence in the Absence」

エアリースタジオでテレビ報道取材を受ける宇田
祖父が残した大きな手掛かり(アルバム)に見入る
市川の手すき和紙を張り合わせてスクリーンの準備
会場は藤村記念館(甲府駅北口)です
いよいよ始まります!
昨年亡くなった母方の祖父の足跡を訪ねて
文字と写真をランダムに組み合わせた厳かな雰囲気
無音作品が祖父の物語を忠実に語り
見る人の胸に迫ります

山梨アートプロジェクト2021 宇田奈緒
《不在の中の在ーPresence in the Absenceー》
会期:2021年11月23日〜12月12日
会場:甲府市藤村記念館

やまなし短編映画祭2021

Yamanashi Short Movie Festival 2021

June – December 2021

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

公式ホームページ

Home | yamanashi-short-movie-2021 (jimdosite.com)



 ステイトメント

 人が移動することで生じる熱量を基盤にしたアーティスト・イン・レジデンス(AIR)の活動は、パンデミック発生以降新たな事業展開が求められることになった。この先海外作家の受け入れは可能なのだろうか? 思いの外自体は長期化の様相を示している。

 そんな苦悩の中で出会ったのが山梨出身3名の若き映像チームだった。6話完結オムニバス短編映画『指先から』の撮影で出会った彼らが、新しいプロジェクトのイメージをくれた。この困難な時代を正面から捉えて新しい作品を生み出している。彼らを紹介すると共に山梨ゆかりの作品を上映するのはどうだろう? 幸い上映中の観客は無口で、集まっても感染リスクは低い。撮影機材の改良や進化でずいぶん映像制作が身近になっている。探せば他にも見つかりそうだ。

 誰もが生活に不自由を感じまたは人生の変更を強いられているこの時期に、何を考えて何をしたかが後の時代に問われるだろう。まだ無名の若い監督やチームの作品を上映することで、山梨の映画文化に貢献したい。彼らが互いに知り合うことでこれからの活動の幅を広げて欲しい。そして映画は総合美術。文章を綴る人、絵を描く人、演じる人、撮る人、音楽を奏でる人などいろいろな人がこれを機会に繋がることで甲府の、山梨の文化振興の一助となれたら素晴らしいと思う。いろいろな切り口で興味を持ってもらいたい。 

 コロナによる社会変化後も日々の生活にアートを継続するためのひとつのルートとして「やまなし短編映画祭 2021」を開催します。

やまなし短編映画祭実行委員 坂本 泉(Artist In Residence Yamanashi)

Statement

We initiate activities through the energy produced by the movement of people. Since the spread of the pandemic, a new business development is in demand. Would we be able to accommodate international artists in the near future? The pandemic seems to last longer than expected.

In such difficult times, we had an image for a new project. We encountered a young filming team from Yamanashi, who met through the shooting of Yubisaki kara, an omnibus short film series. While facing our current society, we are creating something new. As we welcome the team, we would like to present a film that is linked with Yamanashi. Luckily, the audience remain silent in movie theatres, allowing lower risks of Covid infection. Thanks to the advancements of technologies in photographic equipment, video production has been more familiar with us today. Hence, making videos and films has become more convenient. For this particular project, we could possibly have more staffs to help the team.

Many of us may be facing challenges, where changes are required to adapt to the new life. As we reflect on our current lives, we may be asking ourselves in the future, what were we thinking and what were we doing?

Through this production by a young team who is still unknown, we would like to bring a lively atmosphere and hope for people to be interested in the film-making culture in Yamanashi. We hope that each member can expand one’s range of work by collaborating with each other. Lastly, we would like to address/express how film is composite art. This project consists of a screenwriter, drawer, actor, photographer, musician, and more. Together, we would like to take the opportunity to help promote Yamanashi culture and be connected with one another.

We will host the Yamanashi Short Movie Festival 2021, to keep art active in our daily lives.  (Translation:Eleanor Mimura)

【企画・運営】

やまなし短編映画祭実行委員会

後藤 久美子|劇団ホワイトチョコが好き。

坂本 泉|AIRY

山本心平|へちま

米持 壌| 武蔵野美術大学生

【ロゴデザイン】

omiso

【ちらしデザイン】

山本心平|へちま

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『指先から』6月

【重要なお知らせ】6月12日

やまなし短編映画祭2021実行委員会

このたび、6月11日に出された県からのイベント自粛要請を受け、6月18日(金)・19日(土)の全5回の『指先から』上映会、展示会、20日(日)の演劇ワークショップを中止とさせていただきます。楽しみにお待ちいただいていた皆様には心からお詫び申し上げます。

【重要なお知らせ】6月19日

やまなし短編映画祭2021実行委員会

このたび、コロナウイルス感染拡大の状況を鑑みて、6月25日(金)・26日(土)の全5回の『指先から』上映会と、27日(日)のワナレカLIVEを中止とさせていただきます。 楽しみにお待ちいただいていた皆様には心からお詫び申し上げます。 また改めて上映の機を探らせて頂きたく存じます。

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『北屋形の神楽 終わりの始まり』7月上映

開発好明 監督


■7月16日(金) 19:00-20:10 上映 *アフタートークあり

オンラインアフタートーク 20:20-21:00/聞き手AIRY 坂本

■7月17日(土) 13:00-14:10

※受付開始・開場は開演の30分前

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上映&アフタートーク レポート

開発好明『北屋形の神楽  終わりの始まり』
DVD / vol.1 vol.2

会場:へちま3Fスタジオ

 オリンピック開幕を一週間後に控えたこの日、日本中がピリピリとした雰囲気に包まれていたように思う。こんな状態で果たしてどれだけの人が上映会に来てくれるのかな~不安の中でのスタート。実際に映画祭は6月の上映開始予定が、​​山梨県知事による臨時の特別協力要請が発令されて中止(延期)されていた。この時の発令は甲府市での聖火リレーを前にした引き締めの色合いが強い。

 さてこのドキュメンタリーは東日本大震災直後に東北入りして様々な活動を行ったアーテイスト開発作品の一つだ。作家は2012年福島県南相馬市北屋形へ入り、地元でどんなサポートができるか話合いを重ねた。その過程はvol.1に詳しく収録されて、いかに人々の要望に沿えるか地元の方々の望む復興の方法を探す作家の姿勢が伺える。何をするのか?何も残せないかも・・?そして村の会合では、村人が北屋形の神楽を愛し誇りを持ち、将来に渡り子や孫の世代に伝えたいという強い思いが繰り返し述べられる。

 そして次第にこのプロジェクトの内容が固まっていったのだろう。「とにかく純粋に村人のためになる事、北屋形の方々の希望を聞いて本当に必要な形での援助・協力を差し出す。」を基本に村人へ未来へのプレゼントになるようにと考えたという。具体的には一度は途絶えてしまった神楽をビデオで将来に伝え残すこと。二枚組DVDの1枚目には会合の様子や神楽舞の晴姿を、2枚目には篠笛や踊りのハウツーを収録した。もう一つは重量オーバーで舞う人の身体への負担が大きかった神楽頭の軽量化を図る発砲スチロールでの頭作り。発砲スチロール素材のアート作品は開発の定番だから扱い方はお手の物だ。最終的に重量は1/3となり軽量化に成功、内部にヘルメットを内蔵して舞人の負担を大幅に減らした。以前のものは頭内に渡された横棒を歯で噛んで頭を固定させていたいうから驚きだ。噛む力・首肩の力ともに並外れた能力、しかも両手はふさがっている。仕上げには地元の会津漆塗り師を起用、表面を強化したうえで美しく会津漆が施されて現在は神社の祭壇に奉納されている。

発砲スチロール製頭の基本形を試着する作家 開発氏
左:旧神楽頭       右:新神楽頭

 2013年正月には新しい神楽頭を着けて誇らしげに舞を奉納する村人の姿があった。前後二人で踊る神楽獅子は息もぴったりで、篠笛の音色に合わせて勇ましく演じる姿は本当にかっこいい。終盤で村人たちがためらいがちに差し出す頭を甘噛みする獅子はユーモラスで一番好きなシーン。疫病避けの意味もあると聞けば決して昔の話ではなく現代に生きる私たちの生活にも大いにつながる。

 このような事例は北屋形だけではないだろう。時代や生活スタイルの変化により地域の伝統継承が難しくなっている。口承で受け継がれるものはいったん途絶えると元には戻らない。この映画を観て自分の地域の場合はどうかと引き寄せて考える。DVDは北屋形の全家庭約100軒に配布されたという。祖父母と孫が一緒にコタツにあたりこの映画を観ている姿を想像すると微笑ましい。このような精神面での支援は将来に大きな希望を与えるだろう。開発ならではの過去と未来の長い時間軸をつなぐ創造的なプレゼントだと言える。

 結果、社会派で硬派な今回のドキュメンタリー上映は、コアな参加者に好評でアフタートークか会場撤収ぎりぎりまで続いた。上映後にオンライン参加の開発自身が当時の様子やエピソードを豊富に語ってくれたので、その場にいるような臨場感を感じることもできた。この困難な時代に大きなスクリーンを囲み、人と直接話せる喜びを久し振りに味わった。まだ歩き始めたばかりの小さな映画祭の手応えを感じて胸が熱い。困難はあるが一緒に歩くと仲間がいることを幸いに、この映画祭を大きく育ててゆきたいと思う。(聞き手と文責:坂本)

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メディアで紹介されました。

山梨日日新聞 時標 8月22日付け

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9月上映 丹澤由棋 監督 米持 壌 監督 

■日程

9月17日(金)19:00-
丹澤由棋 監督作品 residence(60min) + 10th(30min)
米持 壌 監督作品  the private gun(2min) + 初恋(12min)

9月18(土)13:00- *アフタートークあり(約30分)
丹澤由棋 監督作品 zoo(30min) + 1.2.3(40min)
米持 壌 監督作品  the private gun(2min) + 初恋(12min)

■入場料 1000円/お一人

■定員 各回13名 予約制 以下予約フォームから

■9月上映作品

「residence」「10th」「zoo」は山梨県甲府市にあるアーティストレジデンスAIRYを題材に製作された映像作品の三部作。AIRYを中心にアーティストと山梨の人々の交流、アートを通したコミュニケーションを捉えたドキュメンタリー。
  「1.2.3」は京都西山の麓にて生まれ育ち、現在も京都を拠点とする絵描き、八雄を追ったドキュメンタリー作品 。

「THE PRIVATE GUN」はコーマン検疫映画祭へ出品。「映画は娯楽だ」という一つのシンプルな気持ちから制作。
「初恋」は頭で考えるのではなく、心のままに制作。今の私はこの作品があまり好きではありませんが、この当時の私にしか生み出せなかったものだと思います。 

上映&アフタートーク レポート

                                  撮影:米持幸生

若いお二人の監督作品合計6本を一挙に上映する9月

〇丹澤由棋 (エアリー関係3本+京都にアーテイスト八雄を訪ねての収録1本)

〇米持 壌(コーマン短編映画祭出品+進学希望大学への提出作品)

上映後には荻野弘樹氏(山梨放送・映画プロデューサー)を聞き手に迎えての三者リアルトークを開催しました。2監督は在京なので甲府入り後上映を前にコロナ簡易キットで陰性確認を済ませてから。こうやって登壇者が実際に会場で対面トークできるのは初めてだったので「やっと形になった!」と熱いものがあります。二人の作品の特徴は前者がドキュメンタリー、後者はエンターテイメントとカラーが分かれます。

互いの作品について語り合う
一瞬マスク外して~のリクエストに笑顔で
トーク後も和やかに歓談が続くへちまスタジオ 左から 丹澤、米持、荻野

丹澤「映像を撮り始めて10年。インタビューシーンを豊富に撮っておいて編集の時に全体の流れを組み立てていく。生の声を多く使うことで作品に真実味とライブ感が生まれる。エアリー三部作は自分のキャリアの中ではスタート地点。現在はクライアントからの仕事が多くなったがいつかまた自分の作品を撮ってみたい。」

→インタビュー字幕が話し手の意図を補うように工夫して書かれている。→映像を手段にするやり方と目的にするやり方があり面白い。→まるで自分もアートイベントに参加しているように感じた→最近あまり芸術に触れていなかったのかもしれないと日々を見直すきっかけになった。どこかに行かなくても日々のちょっとしたことの中に心動かされる場面は色々あるよなぁと感じてそれを見落とさないようにしたいと思う。(丹澤作品感想 アンケートより抜粋)

米持「つじつま合わせを考えずに自分がいいと思う面白いと思うシーンを取り進める。自分のパーソナリティーを出す。助手は弟一人で、作品にも登場するしカメラを回してもらうこともある。クエンティン・タランティーノ作品に影響を受けて作品つくりを始めた。『the private gun』は*コーマン短編映画募集に応えて制作。今年大学進学して映像を学んでいるがお笑いにも興味があり近々ライブに出演予定。」

*コーマンは「最初の(できれば最後の)コーマン検疫映画祭」として、新型コロナウイルス感染防止のため自宅待機中の人々から2分未満のショートフィルムを募集。「安全を確保して家の中や裏庭で撮影する」「撮影機材は携帯電話など手元にあるもの」「キャストは家で一緒にいるなら誰でも」といったルールが挙げられている。募集期間は2週間。ハッシュタグ「#CormanChallenge」を使用してSNSで作品の投稿を受け付ける。

→全ての動きに意味があるはずなのにそれを全て無意味にしている点がスゴイ!→BGMの使い方が上手→「初恋」は甲府を舞台にして親近感が湧く。自分が暮らす街の今を記録する役割を図らずも担っている→次の作品も楽しみ(米持作品感想 アンケートより抜粋)

荻野「良い意味で作品が若々しい、説明的になりすぎていない点はフレッシュである。映像に意味を求めてしまいがちだがその固定概念(前提)を壊すことができるのが映画。映画の中で一つのシーンを美術館で一枚の絵を観るように味って、自分のものにしてほしい。映画はひとたびリリースされれば監督の手を離れて観た人のものになる。自分はこう感じたというのが正解。」

荻野弘樹 紹介

テレビ、ラジオ番組のディレクター、プロデューサーとして、三上寛出演「ギタリスト深沢七郎」、永六輔出演「六輔 藝の旅」、田中泯 出演 「いつになったら 詩人 金子光晴」など の 番組 で民放連盟賞、文化庁芸術祭賞、地方の時代映像祭優秀賞などを受賞。 「太陽の坐る場所」 2014 、「 さ く ら」2020 な ど 矢崎 仁司 監督 作品 の 製作 のほか 、 成島出、富田克也ら山梨 県 出身監督らのプロダクション支援を行っている。

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10月上映 井原純平監督

■ 日程

10月22日(金)19:00ー *3 本上映

10月23日(土)13:00ー *3本上映+監督アフタートーク(30分)

■作品 ホテル三部作2020

①「Why LIE?」10min

②「Day TRIPPER」10min

③「名前のないホテル」22min

2020年に製作した“HOTEL”がテーマの短編映像三部作。ロードムービー、ミステリー、コメディの全く異なる三作であるが、“HOTEL”をキーワードに物語が繋がっていく。
①全編ロサンゼルスにて撮影。スチル写真の合間に撮影したカットを繋げて制作した。映画オーディションを受けるため、田舎町からLAへ来た女性の小さな旅を描く。

②河口湖にて撮影。脚本は用意せず、初めて訪れたホテルに一泊する中で制作した。

③甲府にて撮影。優しいだけが取り柄の冴えない中年サラリーマンと、パパ活サイトで出会った女性の物語。

■アフタートーク登壇者

井原純平 監督

楠 大生 映像クリエーター、井原作品編集スタッフ

聞き手:山本心平 やまなし短編映画祭実行委員

■入場料 1000円/お一人

■定員 各回13名 予約制 以下予約フォームから

■ 写真展示、物販(ポストカード、Tシャツ)鑑賞と購入可能時間帯

一日目:開演前と上映後の30分間

二日目:開演前30分間、休憩時間、アフタートーク終了後30分間

上映&アフタートーク

緊急事態宣言は緩和されたもののまだ街の人出は戻っていない。人数を制限しての二日間開催。会場入口には「NEW KOFU CITY」ポスター、シアターにはスチール写真と物販ブースが設けられた。やるからには楽しむという監督の姿勢を感じる。さあ~今回はどんな上映会になるのか胸が躍ります!!

       聞き手|山本心平         監督|井原純平  編集|楠 大生                      
撮影 | 米持幸正

山本「それぞれの映画ができた経緯は?」

井原「 ①『Why LIE?』2020年1月にある美容師からスチール写真撮影依頼がありLAへ飛び、空いた時間で撮影した約一時間のイメージビデオが発端。それを楠に渡して10分に編集したもの。自分はもともとカメラマンなので、客観的な立場で素材に動画編集と音楽をつけてくれる楠とはよいコンビ。」

楠「井原とはSNS を通じて知り合い3~4年前から共同制作する仲、自分はユーチューバーでもある。ミュージックビデオ制作やラップ新曲作りはサクサク早い方。」

井原「 ②『Day TRIPPER』も実は河口湖畔プライベートホテルからのプロモーションビデオ作品制作依頼から始まった。自分は演者で楠が撮影。二人で冬のホテルに一晩籠り、特に脚本はなく機材を持ち込んで自由に撮影。スタンリー・キューブリック作品が好きで「時計仕掛けのオレンジ」を意識したかも。」

井原「 ③「名前のないホテル」 は唯一脚本を用意した作品。3~4日かけて撮影して予算は3万円。甲府のコミュニティーインフラを使い尽くして少ない予算をカバーする。主人公は先輩の写真家、知り合いの店やカフェを利用、高級車は知り合いから借りるなど。昨年はパンデミックで海外へ行けず、結果的に一年でそれぞれ持ち味が違うホテル三部作ができた。」

山本「見た人の反応は?」

井原「万人向けは狙わない。100人中一人でも興味持ってくれればいい。この映画も大スクリーンで大音響上映を当初は想定していない。ただ自分たちの感性や技術は同時代の世界基準を満たしている自負はある。」

楠「ユーチューブ作品は海外から反応あり」

山本「制作の根底にあるものは?」

井原「コアテーマは常にはっきりしている。地方にいても都会にいても考え方次第でかっこいいもの面白いものが作れる。地方で生活しながら創作できる。見方を変えること。カメラで切り取って甲府をおもしろく表現する。仕事でも同じで自分は精神科のソーシャルワーカーとして日々勤務している。その仕事をいかに面白くできるか、自分の技術を使って盛り上げるかを考える。」

山本「これからの制作の方向は?」

楠「これまでと変わらずに自分の好きを追い求める。」

井原「コロナ禍で映像関係の作品依頼は増えて忙しくなった。職場では介護送迎車の運転手さんたちに焦点を当てるプロジェクトが進行中で、元消防士のおじさんチームのミュージックビデオを作る(笑)。企画書が通り職場は協力的。これにも楠との協働が必要。」

山本「表現したいことやアイデアやイメージがあれば それをカタチにするツールや方法はいくらでもあって 誰にでも扉は開かれている。それは映像制作に限った話でもないしiPhoneがあるからということでもなくて、ずっと昔からそうだと思うんです。それがテクノロジーによってわかりやすくなった。
大切なのは表現したいことやアイデアやイメージの素になるものごとをどう捉えるかということなんだなぁと。そのきっかけになるのがやっぱりアートとか文化とかだと思う。」

身延町の西嶋和紙にインクジェットプリントした写真作品も展示販売
人数制限の13席はほぼ満席
医療福祉関係の方の参加が多かった
へちま入口には「NEW KOFU CITY」ポスター
被写体は井原監督の祖母FUKUE

■アンケートより抜粋

表現したいことあるのがすばらしい→ とても良かったです。声がなくても広がる世界観を音楽に活かしたいです。曲だけで光景が浮かぶように→ ジャンルにとらわれないカタチがとても素敵でした。監督の話を聞いて内容が深まった気がします→ idol君の作品はインスタでチェックさせて頂いていますが大画面で観ると迫力が違いました。音響も大迫力で引き込まれました。ポテへ先輩の演技も愛らしくてコミカルでニヤついてしまいました。アフタートークもあって作品のきっかけなど聞けて嬉しかったです。「やりたい様に」「思い付きで」こんな作品が出来ちゃう所がすごすぎるなーと思います。活動いつも応援しています!!また何かイベントあったら参加します。 → 脚本がないとは思えないくらいかっちょよかったです→ 信玄もちキメてるのがすごく痛いだろうなと思った。音と映像とてもよかったです。甲府のなじみの風景がたくさんでてきていたが、ふだんの感覚と全くちがう切り取り方がされていて楽しく見れました。次も期待しています。 → センスとアイデアの塊を感じた。そして何より行動力を感じた。→ 面白かったです。NICE!!! → たくさんの人々を幸せにしていただきたいです。とても素晴らしい作品でした。ありがとうございました。→ 音が大きすぎる(すべての音拾いすぎる)次回作お待ちしています。若い力でがんばって。 → 普段できない体験となりました。またスタッフの方々のお話も楽しめました。ありがとうございました。 → 井原さんの写真を見ていたので、どんなショートムービー!?と興味があって見にきました。3作品タイプは違うように見え、作品から想像してしまう。感じるものが違ったところにお二人の世界観の幅広さを感じました。作成裏話も、、面白かったです(笑)次回作も見ていたいです。 → 瞬間をキリトル写真とは違う、動きのあるムービーに音楽の融合、とてもかっこよかった。難しいことは考えずにその映像をみていたら、自然にうなずけたり、笑えたり、すごく引きつけられました。とてもよかったです!! → 1つめ 海外の美しさ、ストリート感、特に海と、飛行機のところが見入ってしまいました。あそこの音楽でなんか不安感をあおられました。なんで? 2つめ 写真とってる所がすごくよかった かっこよ! ナスの映画みてみよー♪ 3つめ みてて辛くなった。今の私にはかなしくなる重さでした。おもしろかったです。

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11月上映

①「魔法少女Me」(35min) Clara Campos +クララトーク 10min

2020年に山梨で制作された映画です。魔法少女アニメの中では、少女は魔法を使って自分の問題を解決することができます。小さな女の子たちは変身することで力を得て、何でもできるようになります。この映画の中では様々な人種、年齢、国籍の女性が「女性であるとはどういう意味か」について話し合います。そしてアニメの登場人物に触発されたパフォーマンスは、女性らしさの概念に疑問を投げかけます。

Clara Campos /Brasil 2020年AIRY滞在作家

日本のアニメや少女文化に影響を受けたマルチメディアアーティスト。魔法少女シリーズでは、少女達を日常の行動に没頭させ、女性の多様性を探求することで、女性らしさとジェンダーの役割について事前に与えられた概念に疑問を投げかけています。

②「When timeless arrived, I moved」(4.5min) DANSAN
+ ダニカ&サンダートーク 聞き手 井野美奈 15min
「わたしは止まり、ゆっくりになる」

永久(とわ)が表層にやってくるところで

束の間の数分のうちに数か月が流れている

ときに見えないわたし、それでも動き続ける

動きの中にいつづけるわたしたちはふたたび出会う


DANSAN /ダニカ 2018年AIRY滞在作家、2019年より京都在住

ダンサンはオランダ出身のデザイナーDanika van KaathivenとアーティストSander Hagelaarによるユニットで、日本とオランダの二拠点でコラボレーションしながら活動している。結成のきっかけはオランダ・アーネムの美術大学で出会い、「ことば」と「コラージュ」という共通の興味があること。昨年発表されたダンサン初のプロジェクト”Toch komt eenkeer de tocht”「それでも冷たい空気が通り過ぎる」はオランダ語の詩集である。

③「母性と混沌」(10min)ノリコ ナカムラ

+ノリコトーク 聞き手 五味文子 15min

生まれたばかりの新生児はまるで混沌そのものです。出産を通して私の子宮は小さな混沌を生み出しました。出産後、伸びきってぶよぶよのお腹の中で私の子宮は空っぽになりました。産後鬱の症状として、私は過去のトラウマ的な体験のフラッシュバックの混乱を経験しました。まるで空っぽになってしまった私の子宮が混沌としたものを体に吸い込もうとしているようでした。このビデオ作品を通して私は母性と混沌の関連性を見つめます。

ノリコ ナカムラ /甲府市出身オーストラリア在住 、インスタレーション・彫刻

日本の高校を中退してオーストラリアの高校編入と卒業。ロンドン→メルボルンでファインアートと彫刻を学ぶ。海外に出て考える日本のアニミズムや日本の儀式を彫刻とインスタレーションで表現。  アーティスト・ラン・ギャラリーでメンバーとして5年間活動。大学講師としてレクチャラー、ワークショップ講師などの経験を持つ。主にメルボルンで個展を開催。現在大学院でアートを学ぶ。出産の経験を通し二元論や生物的なジェンダー差などに疑問を投げかける作品を制作。

■日時(全2回) 2021 年
11月 19 日(金)19:00-20:30 ①・②・③
11月 20日 (土)13:00-14:30 ①・②・③

※受付開始・開場は開演の 30 分前 

■会場 文化のるつぼ へちま 3FへちまSTUDIO

■要事前予約 10月25日(月)10:00~ 

上映&アフタートーク

            Clara Campos in Brazil Talk             
撮影 | 米持幸正

 右脳と左脳での思考の違いを学んだのでどんな感想なのか共有できたらいいなと感じました。はじめての短編映画、機会があったらまた来ます。→見る側、受けとる側、それぞれの答えがその人の心の内にあってそこからまた次の何かがうまれていく。アンテナがなければ受けとれないこともそれもまた人生。よい時間をありがとうございました。→ とてもキョーレツでした。どの作品も響くものがあり考えていまいます。→ 触れたことのない世界観で刺激を受けました。深い、良く分からない感じを、今日これからの時間で考えてみようと思います。そんな楽しみ方もありだと思わせてくれる作品でした。頑張ってほしいと思います。 → それぞれの方が映像作品という共通性はありながら、自由な表現方法でそれぞれのはっきりとした探究テーマを表現していて面白く、又、刺激的でした。ジェンダー、フェミニズムについては自身の関心事でもあったので興味深かったです。(アンケートから)

Danika in Kyoto Talk with Mina Ino in German
撮影 | 米持幸正

 コロナの中で作られた作品として見る機会が今までなかったので新鮮でした。私も同じ時間を過ごしていたはずなのに、みんなそれぞれの時間を過ごしてい たりと知りました。→ 「日本の文化バランス」の話が興味深かったです。「完全なるシンメトリーではない」が特に * → 新しい視点から映画を見れたことが貴重でした! → Art寄りのショートムービー、どんな感じ?予想外な3作品でそれぞれ違う見せ方に不思議な世界に引きこまれました。 → ダニカさんがインタビューで日本語で適格な言葉を丁寧に探し表現しているのが素晴らしかったです。→ 自由な表現、楽しめました。また次回期待します。(アンケートから)

*「日本には特別なバランスがあります。完璧なシンメトリーという意味ではなく、入念に作りあげられた不完全さのようなものが、全体をどこかミステリアスで遊び心のある、美しく魅力的なものにしているのです。」(映画祭質問票へのダニカ返答より)


Noriko in Melbourn Talk with Fumiko Gomi in Kofu
撮影 | 米持幸正

 とてもよかった男女の性差について、単純に分けられるものではなくグラデーションであることを強く感じました。グラデーションの中で、居心地の悪さや不利益を感じている人がいる事実は受け止めつつ、性差やグラデーション、得手、不特手の尊さも同時に感じました。女性の妊娠、出産に前後する混沌を垣間見て、男性の思春期の性欲なども、コントロールできないものを無理やり制御しているという点で、同じようなレベルの強い厄介なものであり、生命を突き動かす神秘のようにも思えた。善悪や美醜を超えている。→ まだまだ日本では取り上げにくい題材ですが、アートの力で伝わるコトってあるんだなと改めて思いました。カオスでこの世はできている。→ アフタートークもあってよかったです。ノリコさんの作品は、未知との出会いでした。→ おもしろかったです。アート(物で作るアート)が映像を発見したって感じ。カオスが原点だね → 作品だけでなくアフタートークがセットであるからこそ、自分の中にしっくり落とし込める内容でとても良かった。終わった直後で気持ちがカオスすぎます。母性についての作品が好きでした。性的な表現は苦手なのですが、彼女の内側には共感できました。→ 自身も出産を経験し、今までの「あたりまえ」はあたりまえではなくなり、心身ともに困惑し疲れ切っていた過去の自分を思い出しました。混沌とした時期もすぎ、今は、昔とはちがう考えも増えた気がします。言葉では伝えきれませんが、とても素晴らしい作品でした。 (アンケートから)

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12月上映 手塚 悟 監督 三本立て

『Every Day』

『正しいあとさき』

『Moment』

■日時 全2回

①12月10日(金)19:00-21:00

②12月11日(土)13:00-15:00

※受付開始・開場は開演の 30 分前 

■会場  文化のるつぼ へちま 3Fへちまスタジオ

■参加費 1000円/お一人

■要事前予約  11月30日(火)10:00~

■ 上映作品3本

①『Every Day』 95min/2016

 これまで『つるかめのように』『こぼれる』など数々の短編が国内外の映画祭で高く評価されてきた手塚 悟監督。音楽家・haruka nakamuraの楽曲「every day」から着想を得た本作で、満を持しての長編デビューとなる。主演には人気劇団「ヨーロッパ企画」に所属し、役者としてだけでなく、マキタスポーツ主演・BSスカバー!連続ドラマ『PANIC IN』の脚本・演出を担当するなど、マルチに活躍する永野宗典。共演に『4/猫(ねこぶんのよん)~猫まんま~ 』『サーチン・フォー・マイ・フューチャー』『珍遊記』など出演作品の公開が続き、CMや舞台でも活躍する山本真由美。他にも『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』の倉田大輔、『歓待』の山内健司(青年団)ら魅力溢れるキャストが集結した。
 また、監督の熱烈なオファーにより、haruka nakamuraが音楽を担当。全編ピアノで新録された楽曲が、優しく映画を包み込む。

②『正しいあとさき』11min/2021

③『Moment』6min/2021

■予約申し込み

最新上映スケジュール | yamanashi-short-movie-2021 (jimdosite.com)

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舞台挨拶始まる
手塚悟監督    高木公佑『正しいあとさき』主演
『正しいあとさき』
監督・脚本:手塚悟
出演:高木公佑/永井秀樹/青海衣央里/鈴木睦海

「この度は申し訳ありませんでした」
その日、祥平は会社の上司である栗山の自宅で頭を下げていた。
執拗に謝罪を求めるその理由は、祥平の妻・真歩に関わることだった。
祥平の放った一言で事態は急変する。正しさとは、何なのか。

 やまなし映画祭最終回12月

 有終の美を飾るべくサプライズで舞台挨拶に駆けつけてくれたのは手塚悟監督(山梨県出身)と高木公佑さん(『正しいあとさき』主演)のお二人。掛け合い漫才のごとく彼らのテンポ良い会話に引き込まれる。同級生で同じく映画人、10年来の付き合いという。当初高木さんは『Everyday』の主演候補だったとか、いろいろなエピソードも飛び出して笑いの絶えない楽しい舞台挨拶となりました。高木さん曰く、監督はとにかく登場人物の背景やキャラクターについてとことん俳優たちと話し合うとのこと。手塚ドラマの登場人物たち、個性的で訳ありでキャラが立っているのが納得。やはり製作者や登場者の話を直接聞けるのは大切で最高に贅沢な時間と再確認した上映会でした。

 また監督からは「地方で自主制作映画祭の開催はすごく大切。来年も続けて!少なくとも三年は続けて 笑」とやまなし短編映画祭への激励をいただきました。手探りでスタートそしてないないの運営、来年どうしようかなという迷い。監督の言葉がその迷いを凌駕するのは以下にも共有する参加者アンケートを読んでから。

Everyday:日常を顧みるように、 自分の生活をふり帰ろうと思った。すべての作品において想像を掻き立てられた。 アフタートークでパーソナルの設定を綿密に設定して いる点を聞けるなど、大変良い時間だった。Everyday:とてもリアルでドキドキしながら、心に負担のかかるとてもいい映画。監督の映画が、感情やエネルギーのやり取りを凄く感じる部分があり、観ながら心が揺さぶられた→ 初めて拝見しました。Everyday:LastSundayのところからの展開が凄く面白かった。ラストはちょっと期待しつつ裏切ってくれて良かった。凄いですね。三井さん役いいですね!素晴らしい!Moment:リモートじゃなくてもお母さんなら、何度か経験することだなー。子供を邪魔にしたり怒ったりで涙して、また子供に癒され愛をもらう →山梨でしか観れないものを観ることができ、これからも続けてほしい→ Everyday:女優さんの表情がとても良かった。 ショートムービー:どこにでもありそうな1コマが映像にきれいに収まっていて素晴らしい→ Everyday:不思議な世界に引き込まれた、吉田さん。町の暮らしの中でのありそうな瞬間、見過ごしてしまいそうな瞬間、もどかしさ、人の抱えているものなど温かくありたいと思った。Moment:日本語でない日本語が素敵でSFのような雰囲気。→ 作品数が多かったかと思いました→ Everyday:ちゃんと見てあげる、それだけで毎日が満ちてくる。そんな気持ちになった→ とても素晴らしい。感じる心は豊かでありたいと素直に思った。Moment:自分の姿です。緊張が解けた瞬間、仕事から離れた瞬間、母親にかえる。まさに子供は癒し。映画を子供と一緒に観に行くことが出来て、このような機会がありとても有り難い。きっと子供も良い思い出になる→ 映像も音楽も美しかった → まず山梨にこのようなシアタールームがあることを知らなかった。いかに宣伝が大切かわかる。何かの形でバズる事が必要!あと、駐車場の問題。山梨は車社会で駐車にお金がかかる!意外と駐車料金にシビア。映画のカット割が、山田太一ぽかった。→ 手塚監督、高木さんに会えたのは良かった。→ Everyday:数年前に南アルプス市内の上映会に行き2度目だったが胸がいっぱいになった。他2本も違う世界で楽しめた → 山梨出身者や山梨で活動しているアーティストを知る良い機会だった。これからも続けていって欲しい。監督、出演者の話まで聞けて大満足→ 新しい映画のムーブメントを感じることができた→ 短い作品が面白かった→ 思いがけず、本格的な良作を見せてもらい良い意味で驚いた。来年も楽しみにしています。 (アンケートから)

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手塚悟監督を囲んでバウムアンドクーヘンとスタッフ

この場をお借りしまして
本映画祭にご協力とご参加いただき誠にありがとうございました。
また来年お会いしましょう!!